TOEIC700点レベルに到達するための勉強法 おすすめ教材・参考書を紹介!

「この記事で分かること」
・TOEIC700点レベルの英語力
・TOEIC700点の社会的評価
・TOEIC700点以上のスコア取得のための勉強法
・TOEICの問題演習で意識すべきポイント

人事評価、転職のためにTOEIC700点突破を目標とする社会人は多いです。

社会人の平均TOEICスコアである500点前後を大きく上回り、英語上級者としてスタートラインに立っていると言えるのがTOEIC700点台です。

それまでの勉強内容によって、4技能(読む、聞く、話す、書く)のレベルが人によってバラつきがありますが、中学・高校の英文法の基礎はほぼ理解できているのでオンライン英会話でスピーキングを伸ばしたり、さらに速いリスニングやリーディングができるようになる下地が整っている状態と言えます。

今回はTOEIC700点レベルの人の英語力、TOEIC700点以上のスコアを取るための勉強法について解説していきます。

TOEIC700点のレベルは?

TOEIC700点以上の人はTOEIC受験者の中でどれくらいの位置にいるのでしょうか?
また、ビジネスで使える英語力としてはどれくらいの実力を持っているのでしょうか?

700点以上はTOEIC受験者の上位約30%

TOEICのテストを開催する「一般社団法人 国際ビジネス・コミュニケーション協会」の公表している、2016年度の受験者数やスコアのデータを分析した資料によると、700点以上の人は公開テストで上位27%、IPテストでは上位11%に位置します。

TOEIC700点以上に到達すると、日本人のTOEIC受験者の上位10~30%の間にいると考えることができるでしょう。

TOEIC700点台になれば英会話はできる?

TOEIC(TOEIC Listening&Reading Test)は「読む」「聞く」を測るテストなので、英会話のレベルは人によって様々です。

留学や海外勤務などで実際に英語を使った経験が乏しい日本人の場合、700点レベルに達しても英会話はまだまだ苦手だと感じる人が多いです。

TOEICで600点以上を取れるようになれば、高校レベルの英文法は頭の中に定着しているので、非常にゆっくりなスピードであれば文法的に正しい英語を話すことができます。

しかし決まりきった自己紹介や挨拶はできても、会話のやり取りを繰り返して、知らない単語や表現が出てくると言葉につまり、集中力が維持できなくなってくるでしょう。

[st-kaiwa1] TOEIC600点台の頃の私も同じようなレベルでした。900点以上を取れるようになっても、油断してると英会話はすぐに衰えていきます…
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英会話向上のためには、TOEIC以外のオンライン英会話、瞬間英作文などで英語を素早く口にするトレーニングを積んで「言いたいことを英語で伝える」ための思考回路を鍛えることは必要です。

「書く」能力のライティングについては、多少のミスは残るものの、辞書などで知らない単語を調べながら英文メールなどを書くことができるレベルです。これも英会話と同様に、実際に書く練習を積み重ねてレベルアップするしかありません。

では、リスニングやリーディングのほうはどうでしょうか?

700点レベルになれば、英語を英語のまま聞き取ることに慣れてきた段階です。自分の仕事や詳しい分野に限れば、目の前の相手の英語を70~80%くらい聞き取ることはできますが、自分の知らない話題になったり、外国人同士の会話になると理解できなくなるでしょう。

ナチュラルスピードの英語のニュースや洋画を見ても20%程度分かるとか、知ってる単語だけが耳に入ってくるという感じです。

[st-kaiwa1 img=”https://smarteigo.jp/wp-content/uploads/2018/09/s_face.jpg” name=”Toshio” from=”right”] TOEIC900点以上でも、ナチュラルスピードの英語を聞き取るのは苦労するものです。
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リーディングについても、自分が詳しい分野や仕事に関する文書であれば自力で読み進めていくことができます。でも辞書が必要なこともあるし、背景知識がない英文になると時間がかかりすぎることもあります。

このように実用面ではリスニング、リーディングの両方で、まだまだ苦労することが多いのがTOEIC700点レベルの実力だと言えます。

TOEIC700点は異動や昇進、転職に影響

700点以上を取ると異動や転職において有利に動けるようになってきます。

「上場企業における英語活用実態調査 2013年」報告書によると、上場企業の6割もの企業が採用・昇進、海外赴任者選抜のためにTOEICテストを利用しています。

 

このレポートによると、次のようなことが分かります。

海外赴任者に期待するTOEICスコア

715点(2011年)
695点(2013年)

中途採用社員の入社時の期待スコア

600点(2011年)
710点(2013年)

 

日本の大手企業では日産自動車が新入社員に730点レベルを期待していますし、中途採用ではユニクロで有名なファーストリテイリングもビジネス英語の目安として700点以上を期待しています。

 

このように700点以上のスコアを取っておくことで企業側の期待に応える英語力をアピールすることができます。

TOEIC700点に届くための勉強時間は?

上の図は、TOEICの目標スコア達成に必要な学習時間を表しており、TOEIC700点レベルに達するには何百時間も必要だと言われています。

・現在のスコア 350点の場合 → 950時間
・現在のスコア 450点の場合 → 700時間
・現在のスコア 550点の場合 → 450時間

この表によると、100点アップするのに約200時間の勉強時間が必要です。

もちろん、必要な勉強時間はその人のレベルや学習法、やる気・集中力によって変わるので一概にこうだと言うことはできません。

個人差はあるにせよ、仕事で使えるリスニング、リーディング力を身につけることを意識してTOEIC対策を行うのであれば勉強時間の蓄積は絶対に必要です。

 

この学習時間の確保が、社会人にとっては頭の痛いポイントです。

学生時代と違って、社会人には1日のうちで3時間、5時間とまとまった時間を勉強のために確保することはできません。だから勉強時間を積み上げるには、5~15分くらいのスキマ時間や電車での移動時間などを上手く活用することが大切です。

 

いつでもどこでも勉強するという気持ちが必要です。

 

また、モチベーションを高く保つには、目標達成までの期限を切ることも大切です。

仕事と同じで、締切を意識すると人間やる気が高まるし、「この2ヶ月はTOEICに集中する」と決意することで、ダラダラ続けるよりも効率的に勉強が進められます。

TOEIC700点以上を達成するための勉強法


ここからはTOIEC700点以上のスコアに到達するための勉強法を紹介します。

TOEIC600点と同様、文法と英単語の基礎が大事

700点台を目指すなら、600点を目指すときと同様、中学高校の英文法を漏れなく正しく理解しておく必要があります。文法の基礎があって初めて、リスニングやリーディングで英語を英語のまま理解することが可能になるからです。

詳しくは、TOEIC600点の勉強法を参考にしてください。

公式問題集で、本番の試験に慣れよう

TOEIC公式問題集に掲載されている素点(正答数)と得点の換算表によると、

600点 → 130問
700点 → 145問
800点 → 170問

これくらいの正答数が求められます。

 

700点突破となると全体の約70%の問題に正解しないといけないので、本番を想定した問題演習も必要になってきます。


ちなみに、現在500~600点台の人が700点突破を目指すときは、リスニング対策に重点を置いたほうがスコアが伸びやすいです。

上に挙げた換算表を見ても分かるように、同じ正解数であれば、リスニングパートのほうが配点が高くなるからです。

順番としては、Part2 → Part3の順で対策すると良いでしょう。

Part2は、正しいやり方で継続すれば長文を聞くPart3やPart4よりも早くマスターできます。苦手意識のある人は、出題パターンや回答テクニックをTOEIC対策本で参考にしながら、「やり取りの流れ的に自然な回答はこれ」という風に正解を選べる感覚を身につけることを目指しましょう。

 

Part3では選択肢の先読みができることが大切です。先読みができるようになればPart4の得点にもつながります。TOEICでよくある会話の状況やパターンも把握すれば、リスニングパートで70%以上正解することも夢ではありません。

 

最初のPart1(計6問)も決してバカにできませんが、Part 2,3でリスニングに慣れていればテスト直前に対策しても大丈夫です。Part1でよく出る構文、正解の選び方のコツなどを把握しておきましょう。


ここで、公式問題集を使った勉強の方針の説明にもどります。

 

いろいろな問題集に手を出すよりも、TOEIC公式問題集を使って勉強します。1回解いて終わりではなく、問題演習でも反復学習が大切です。

 

問題集に登場する英単語、フレーズなどをすべて暗記するくらいの勢いで何度も解くことが本番での得点アップにつながります。

・解けなかった問題を次に確実に解ける
・なんとなく正解した問題も、根拠をもって正解できるようにする
・正解にたどり着くまでの時間を短縮する(特にPart5、Part6)

このように一回目よりも正確に速く正解できるように問題演習を繰り返してください。3回くらい反復するまでは他の問題集を買う必要はありません。

リスニングPart3,4の先読みの練習をする

700点以上を狙うときは長文のリスニング問題(Part3、Part4)も自信をもって回答できる数を増やしていかなくてはいけません。

そのためには設問の先読みを必ずできるようにならないといけません。

Part3、Part4では問題の音声の読み上げが始めるまでに「8秒間」のブランクがあります。この8秒で、3つの問題文を読んで「何が聞かれているのか」を把握するトレーニングを行いましょう。

それに加えて、目の前の問題だけを集中してリスニングするメンタルも大事です。

 

模試や試験本番では、聞き逃して正解が分からない問題がいくつかありますが、そういう場面でグダグダと失敗を気にせずに、次に読み上げされる音声に集中する「切り替えの良さ」もTOEICのリスニング問題に必要なスキルです。

リスニング問題の演習を行うときは、
・8秒以内で設問をすばやく先読みする
・間違っても気にしない、切り替えの良さ
・ほど良い緊張感で集中力を保つこと

これら3つのポイントを重視して学習を進めてください。

リーディング問題の時間配分を身につける

リーディング問題は、75分で100個の問題を処理する、時間との戦いです。さらに最新の出題形式では3つの文章を同時に読んで回答するトリプルパッセージなどが登場、NOT問題や分挿入問題など難しい設問も加わって難化の傾向にあります。

以下に標準的な時間配分の例を示します。
Part5:10分
Part6:6分
Part7 :59分

Part5、Part6は1問約20秒で迅速に解いていかなくてはいけません。

また、Part5の品詞系など「文章の構造上これしか正解にならない」という類の問題は5秒くらいで正解できるようになると、Part7により多くの時間が残せるようになります。

 

Part7の長文も、本文を最初から正確に速く読んでいくことが大事です。

最初は正確に読んで文章の内容を理解すること、つまり「精読」を重視してください。

つまり、正確さ → スピードの順番で対策をします。

最初から60分で全部解くのは不可能ですが、スピードばかり意識すると英文読解があやふやなまま問題を解くことになり、リーディングのレベル向上につながりません。

 

精読で1つ1つの英文の意味を理解し、意味の分かる文章で音読をくり返すことでリーディングの正確さ、スピードが向上していきます。1つの英文につき、10回は声に出して読むトレーニングをしましょう。音読は周囲の視線が気になれば、ボソボソ声でも大丈夫です。

 

ちなみに、精読をしないで速読や拾い読みばかりしていると、分からない単語や文法が分からない文章で必ず詰まります。

分からない所を分かるようにすることで英語力がレベルアップするのに、その成長のポイントをみすみす逃してしまうことになるので、「精読をしっかりやること」を私はお勧めします。

700点レベルを目指す段階ではラスト10問は塗り絵でもOK?

[st-kaiwa1 img=”https://smarteigo.jp/wp-content/uploads/2018/09/s_face.jpg” name=”Toshi” from=”right”] 私が過去のTOEICで800点台を何回か取ったとき、時間が足りずPart7の最後のほうの7~9問を塗り絵したことがありました。それでも800点以上が取れたので、ぶっちゃけた事を言うと700点レベルを目指す人はPart7のラスト10問は捨てて、90問だけに集中するという手もあると思います。
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TOEICに必要な語彙力向上を目指す

英単語に自信のない人は、TOEIC頻出単語の語彙力を増やすための勉強もしてください。

TOEICは出題される単語がある程度限定されている試験なので、効率的にスコアアップを目指す人は、TOEICに特化した教材で英単語を覚えましょう。

 

コンパクトで持ち運びに便利、人気参考書の「特急シリーズ」の超人気教材がこの金のフレーズです。

金のフレーズは自らもTOEICを毎回受験して試験問題を分析しているTOEIC講師のTEX加藤さんが1000個の英単語を厳選し、目標スコア別に分けて収録されています。

ページはシンプルなリスト形式で、例文は5語くらいの長すぎない文章で掲載されています。反復学習がしやすく、単語を何度も見て覚えることで記憶に定着させやすいレイアウトになっています。

【まとめ】TOEIC700点レベルに到達するための勉強法

ここまで、TOEIC700点台のレベルや、そこに届くための勉強法について紹介しました。

  • TOEIC700点以上は受験者の上位30%
  • 700点台でも実用レベルの英語にはまだ遠い
  • 700点以上になると昇進や転職にも良い影響がある
  • 700点達成のためには短期集中でスキマ時間も活用して学習時間を確保することが大事
  • 600点の勉強法と同じで英文法の基礎がやっぱり大事
  • リスニング問題の先読みの練習をすべし
  • リーディングも時間配分を意識できるようになろう
  • 問題演習も反復練習で効果が出る!

繰り返しになりますが、700点台に到達するためには勉強時間の確保とスキマ時間の活用が忙しい社会人にとって大きなテーマになります。

だらだら勉強しているヒマは皆さんには無いと思うので、短期集中型の計画で一気にスコアを上げることを私はお勧めしたいです。

[st-kaiwa1] 私が初めて600点から800点台にスコアを上げたときは2ヶ月集中的にやることを最初に計画しました。1日に2〜3時間は勉強時間を取っていましたよ。
[/st-kaiwa1]

なので、もし皆さんがTOEIC500点台でこれから700点以上を目指すならば1日に2時間くらいは勉強量を確保して、多少きつくても2〜3ヶ月は継続するような計画を立てると良いでしょう。

勉強のやり方、教材の選び方が分からない人へ

TOEIC700点のための独学対策法について解説しましたが、ストイックに勉強できる人向けのマッチョな方法論だと思った人もいるのではないでしょうか?

「どのテキストを選んでいいか分からない」
「従来の教材では何度も挫折してきた」
「一人だとサボってしまい、三日坊主になる

これらに当てはまる人にとっては、もっと他のやり方でTOEICスコアを伸ばすほうが効果的です。

独学がムリな人におすすめのTOEIC教材

従来のテキスト・参考書での勉強が続かない人はTOEICに特化したアプリで勉強しましょう。これなら教材選びに迷うこともありません。

おすすめはスタディサプリENGLISH TOEIC対策コースです。

TOEIC600~800点以上を目指す人を対象に作られているので、中級レベルの人も活用できるアプリとなっています。

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