TOEIC500点のレベルとは?500点到達の対策・勉強法、おすすめ教材・参考書

「この記事で分かること」
・TOEIC500点レベルの英語力
・TOEIC500点の社会人が受ける評価
・TOEIC500点以上を取るための勉強法

「上場企業における英語活用実態調査 2013年」報告書によると、上場企業の6割もの企業が採用・昇進、海外赴任者選抜のためにTOEICテストを利用しています。

それによると、グローバル化に対応するため全社員に期待する平均スコアは600点、さらに国際部門の社員に期待する平均スコアは750点となっています。

この記事では500点を突破して社会人の昇進・転職で要求される最低ラインの600点に少しでも近づくための勉強法を紹介します。

TOEIC500点のレベルはどれくらい?

TOEIC500点レベルの英語力は?

TOEICのテストを開催する「一般社団法人 国際ビジネス・コミュニケーション協会」の公表している、2016年度の受験者数やスコアのデータを分析した資料によると、TOEIC公開テストにおける社会人の平均スコアが602点です。

公開テストとは、誰でも申込可能な月1回のペースで全国各地で開催されており、毎年120万人弱が受験しています。

これによると、TOEIC500点前後は社会人の平均以下のスコアということになります。

TOEIC IPテストの企業の平均点は492点

企業や学校など団体単位で開催されるのがTOEIC IPテストで毎年130万人以上が受験しています。こちらでは企業で実施したIPテストの平均点は492点です。

IPテストは日程も団体のほうで自由に設定でき、受験料も安いので公開テストより気軽に受験できます。したがって仕事で英語を日常的に使わない人、ほとんど英語を勉強していない人も大勢IPテストを受けていると推測されます。

そのため、社会人のリアルな英語力を反映しているのはIPテストのほうだと考えられます。

このIPテストの平均点が492点なので、TOEIC500点レベルはTOEIC受験者の平均水準であり、スコア分布で見ると最もボリュームの大きなゾーンです。

 

最近の新入社員、内定者は500点以上取っているという事実

IPテストでは業種、役職、入社歴などの様々なカテゴリ別で平均スコアが算出されています。

それによると新入社員の平均スコアは501点ですが、入社11年目以上の世代の平均スコアは464点となっています。

入社6~10年目の平均スコア:486点
入社11年目以上の平均スコア:464点

30代以上で中堅社員の立場にある人達の平均スコアは500点を切っています。

ビジネスの経験や能力で負けることは決してないですが、TOEICスコアではこれから会社に入ってくる若者たちに負けていることになります。

ビジネススキルは単純に数字だけで判断できないものですが、TOEICのように明確な数値で若手よりスコアが劣っていることを示されるのは結構つらいです。

 

社会人の平均レベルがTOEIC500点

TOEIC500点台は英語学習を一定程度がんばった人であれば簡単に達成できるスコアです。

ビジネスで使う英単語や会話表現などを知らなくても、中学・高校の英文法、語彙を押さえていれば何となく取れてしまうレベルです。

TOEICテストの問題形式や時間配分に慣れていなくても、英語学習をやり直して受験英語の基礎を思い出せば到達できるのがTOEIC500点です。

しかし「読む」「聞く」「話す」「書く」などの実用的な4技能となると仕事で使えるレベルにはなっていません。

大学受験で英文読解、和訳などを勉強してきた人ならば、リーディングパートの文法、読解問題で300点以上取れるけど、リスニングのスピードと量についていけず200点ギリギリという配分になるでしょう。

 

高校卒業までは英語をある程度勉強したけど、社会人になって英語から遠ざかっていた人の場合は文法、読解の理解度も落ちているので、そのままでは500点を超えるのは難しいでしょう。

英文を語順の通りに理解するスキルが定着していないので、読むスピードも遅く、リスニングも聞いているそばから内容を忘れてしまい、耳に残った単語をヒントに正解を選ぶような状態です。

 

帰国子女や短期留学の経験者でない限り、「話す」「書く」などの練習も中学・高校では満足にできていないので、本当に最低限のことしかできない人がほとんどです。

 

以上のことから、TOEIC500点は日本の社会人の平均レベルにようやく届いたという段階で、履歴書に書いて英語力をアピールするにはまだまだ足りない数値だと言えます。

TOEIC500点レベルを目指す勉強法

ここからはTOEIC500点レベルを目指すための勉強法や教材について紹介していきます。

英語をこれからやり直す社会人にとって、TOEIC500点は基礎を身につける過程で最初に超えるべき目標です。

長い間英語から遠ざかっていた人については、リハビリ的な意味で500点を取り、早めに600点(社会人に要求される最低スコア)を超えるための勉強に取り組むと良いでしょう。

中学・高校レベルの文法の復習からスタート!

TOEIC500点に到達するためには
中学・高校で習う文法を一通り理解すること
初心者向けの問題集でテストの形式に慣れること

この2点ができれば大丈夫です。

文法の知識を思い出すために参考書にザっと目を通して、忘れている部分や理解があいまいな部分が無いかをチェックしましょう。

【おすすめ参考書はこちら】

高校 英文法を ひとつひとつわかりやすく。

高校 英文法を ひとつひとつわかりやすく。

富岡 恵
1,989円(03/19 09:44時点)
Amazonの情報を掲載しています

 

高校の英文法の参考書を通読してください。

TOEICの文法は新しいことを覚える必要はありません。中学・高校で習ったことを思い出すだけで十分です。

中学英語の文法も分からないよ!という人は、復習にもう少し時間をかけることになります。

中学レベルの文法をわかりやすく解説した薄めの参考書で勉強しなおしましょう。

中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく。

中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく。

3,838円(03/19 09:44時点)
Amazonの情報を掲載しています

教材に載っている例文をすべて理解する

文法教材には、短い例文がたくさん載っています。1回目に目を通すときはそれらの例文の1つ1つをしっかりと読み、文章の意味と構造が理解できるかどうかを確認していきます。

理解するときのポイントは、

  • 文章の主語、述語を見分けることができる
  • 文章の構造がわかる(品詞に分解できる、文型が分かる)
  • 文章に出てくる英単語の意味が分かる

この3つです。

to不定詞、受動態、比較扱などの例文をどんどん読んでいきます。

主語はどれ?述語はどれ?ということを分析し、例文の意味するところが正しくイメージできるか、日本語訳と比べて認識にズレがないかをチェックします。

分からない部分、理解があいまいな部分を見つけたら、付箋を貼ったり、マーカーで印をしけたりして後で復習できるように準備しておきます。

文法をおろそかにすると、必ず途中で読解のスピードやリスニング能力が伸び悩むことになります。英語学習にブランクがある人はTOEICの問題を解き始める前に文法を復習することをオススメします。

このように、最低2回は文法の参考書をくりかえし読んで中学・高校レベルの文法をしっかり思い出して感覚を取り戻しましょう。

この時点では70~80%くらいの内容を理解していれば大丈夫です。

あとはTOEICの問題集で実際にリスニングや英文読解をしながら、その都度振り返って理解を確実なものにしていきます。

TOEIC対策の教材で問題を解いて慣れる

文法の次は初心者向けのTOEIC対策の問題集に取り掛かります。

TOEICはリスニングパートの方がリーディングパートより簡単な文章が登場するので、リスニング→リーディングの順番で勉強することで、効率的にスコアアップを狙うことができます。

問題集を使った勉強法も「反復練習」が大原則です。

リスニングパートの問題は付録の音源を何度も聞き、英文もくりかえし読みます。英文を読むときは文法の構造を意識して1つ1つの文章をしっかり理解します。

TOEIC500点レベルを目指す段階では、速読よりも精読を重視して、正確に理解できる英文を増やしていくことを意識しましょう。

リーディングパートの問題も、くりかえし読みます。精読で文法構造と意味を把握したら、何度も声に出して音読してください。

 

いきなり速読をしても、文法があやふやな文章も何となく分かった気になり、流し読みしてしまうことがあります。

まずは良質な問題を解きながら精読で読解力を鍛えることに集中しましょう。

銀のフレーズで英単語を覚える

TOEIC500点突破を目指す人におすすめの単語教材が「銀のフレーズ」です。

 

今やTOEIC単語帳の定番と言える「金のフレーズ」がビギナー向けにアレンジされたのが「銀のフレーズ」で、TOEIC600点以上を目指す学習者のために厳選された1000個の英単語、頻出フレーズが掲載されています。

TOEICを毎回受験し、満点を取り続ける著者のTEX加藤氏が600点突破のための必須単語を厳選してこの1冊にまとめました。

短めの例文は賛否ありますが、短いぶん覚えやすいのでテンポよく進めていけるというメリットがあります。

TOEICテスト直前でもスコアアップできる技術

スコアアップのためには時間をしっかり確保して問題を解く練習が必要ですが、直前であまりたくさんの問題演習をしている余裕がない場合もあると思います。

むしろ、そちらのほうがほとんどの人に当てはまるでしょう。

TOEICには短期間でスコアを上げやすいパートがあるので、各パートで優先順位を決めて対策することで点数の底上げがしやすくなります。

このようなTOEICのための試験テクニックを満載した教材が、ロバート・ヒルキ氏の「TOEIC(R) L&Rテスト 直前の技術」です。

 

CD-ROM付 TOEIC(R) L&Rテスト 直前の技術

CD-ROM付 TOEIC(R) L&Rテスト 直前の技術

ロバート・ヒルキ, 相澤 俊幸, ヒロ 前田
2,420円(03/19 01:27時点)
Amazonの情報を掲載しています
  • リスニングパートで明らかに違う選択肢の見分け方
  • リスニンのPart3,4でよくあるシチュエーション
  • Part5でカッコの前後だけを読んで正解を判断する方法
  • リーディングのPart7で出る文書のパターン

など試験本番で使えるテクニック・知識がたくさん紹介されています。TOEICも試験である以上、使えるテクニックはとことん使って1点でも良い結果を残す気持ちは大切です。

とは言え、

ほとんどの社会人の目標はTOEICスコアの先にある「実践的な英語」を身につけることだと思います。

 

英語を正確に聞き取り、読んで理解できるための「反復学習」を重視した勉強法でTOEIC対策にも取り組んでいただくほうが良いです。

脱・初心者のためには勉強時間の蓄積が欠かせない

この表が示すようにTOEIC500点レベルに達するための勉強時間は200時間とも400時間とも言われます。

情報源によって意見が分かれるところですが、それが必ず自分に当てはまるわけではないので、あまり気にする必要はないと私は思います。

高校卒業までしっかり英語を勉強していた人なら、文法の基礎を軽く見直すだけで思いだすことができる一方で、be動詞って何?みたいな状態であれば中学英語を1からやり直すことになるので基礎定着にそのぶん時間がかかります。

[st-kaiwa1]私が学生時代にTOEICを初受験したときは600点でしたが、受験のために1800時間は英語を勉強した気がします。[/st-kaiwa1]

英語力は急には身に付かない

TOEIC500点に届くまでの所要時間は、勉強のやり方、使う教材、本人の意思などによって左右されるものです。

勉強時間 × 勉強のやり方

英語力の基礎は、このかけ算の式で決まります。

さらに勉強を始めたばかりの頃は、勉強時間のわりに英語力がなかなか上がりません。

 

英語力はこのグラフのように最初はじわじわと、ある段階から急に伸びていくものです。ほとんどの人がこの「じわじわ伸びる」時期で思い悩んで「勉強しても効果がない」とあきらめてしまいます。これは非常にもったいないことです。

社会人はスキマ時間も活用して時間を確保すべし

学生は勉強時間が比較的確保しやすいので、やる気がある人は1日に6時間、8時間とみっちり英語漬けになることができます。しかし仕事が本分の社会人は、まとまった勉強時間を確保することができないライフスタイルになっています。

 

そのため、勉強時間を積み上げるには、5~15分くらいのスキマ時間や電車での移動時間などを上手く活用しないといけません。

机に向かえない時でも、いつでも勉強するという気持ちが必要です。

どの時間帯に学習時間を確保するのか1日の学習計画を1週間単位で立てて、学習時間の予定と実績をチェックしましょう。また、移動中や立ったままでもできるような教材や道具を準備して、スキマ時間に取り組む勉強方法を決めておくとよいでしょう。

 

【まとめ】TOEIC500点レベルの勉強法について

英語を勉強し直す社会人にとってTOEIC500点レベルは何としても突破したい水準です。

  • TOEIC500点は日本人受験者の平均レベル
  • 最近の新入社員の平均点は501点
  • 30代以上の社員のTOEICスコアは新入社員に負けている
  • 500点レベル到達の勉強法はまず英文法の基礎固めから
  • 良質な問題集でTOEICの問題に慣れる
  • 付録の音源を何度も聞き、問題の英文を音読する
  • 忙しい社会人はスキマ時間も有効活用すべし

くりかえしになりますが、社会人にはダラダラ勉強しているヒマはありません。

文法や語彙力など基礎学習であっても、短期集中で期間を設定してその間で最大限の成果を出すという意識で臨みましょう。

時間が限られた中で勉強するには、効果的な方法を実践することが大切なので、本記事の内容をぜひ参考にしてください。

 

従来のテキスト・参考書での勉強が続かない人はTOEICに特化したアプリで勉強しましょう。

これなら教材選びに迷うこともありません。

おすすめはスタディサプリENGLISH TOEIC対策コースです。

英語をこれからやり直す人にも必要な文法、英単語の復習もスキマ時間を使ってできるように設計されています。

スタディサプリTOEICを使えば、TOEIC頻出英単語、文法、リスニング、リーディングの全てを網羅しているほか、人気TOEIC講師の関正生さんの分かりやすい5分解説動画も見放題です。

教材選びや勉強のやり方が分からない人も安心して勉強を進めることができます。

また、オンラインでプロのTOEICコーチから個別指導を受けられるパーソナルコーチプランもあります。

独学でアプリで勉強しているときに、疑問や質問があったときに気軽に専属コーチに相談できるのは嬉しいポイントです。アプリだけの登録に比べると割高ですが「3ヶ月以内に絶対にTOEICを200点以上UPさせたい人」にはパーソナルコーチプランのほうが向いています。

また….

一人ではどうやって勉強していいか分からない!
何から勉強すれば効率的なのか知りたい!
3ヶ月以内にTOEICスコアを200点上げないと昇進できない!

そんな人には、英語のプロが専属コーチとなってくれる短期集中型のTOEICコーチングを受講することをおすすめします。

英語学習ノウハウを熟知したコーチが、ひとりひとりの弱点・課題に合わせて学習プランや勉強内容を提案し、日々の学習をチャット・面談などのコミュニケーションを通じてサポートしてくれます。

ライザップイングリッシュPROGRIT(プログリット)などが代表的です。どれも週1回など定期的にコーチングを受けながら、学習計画に沿って毎日自習を進めていくスタイルです。

忙しい社会人に短期集中TOEICコーチングがおすすめな理由