「TOEICスコアと年収・給料は関係ない」はウソ?TOEICスコアが高いと年収が増えやすい理由

ビジネスにおいて、英語の重要性は大きくなってきています。

今まで英語(外国語)と縁がなかった職業や業界でも、外国人と仕事をしなければいけなくなっているところがたくさんあります。

新型コロナウイルスの感染拡大によってインバウンド需要は1%以下にまで落ち込みました。

しかし日本経済が世界と密接に関わっており、海外企業とも上手く付き合うことがビジネス成長に欠かせないことは今後も変わりません。

日本国内においても外国人人材の受け入れが活発化することで、外国語を使う機会は増えていくことが予想されます。

英語ができないと困る時代は、あなたの業界にも必ずやってきます。

TOEICの試験を主催するIIBCの英語活用実態調査2019では「今後のビジネスパーソンにとって最も重要な知識・スキル」として英語が最も重要視されていることが分かります。

採用や昇進の場面でTOEIC L&R試験のスコアを要件・参考とする企業も増えているため、TOEICスコアが高い人は年収が上がりやすくなっています。

海外と関わる部署の中途採用では53.8%の企業がTOEIC L&R試験のスコアを要件・参考とすると回答しています。

昇進・昇格でもTOEICスコアを社員に要求する企業は約30%の割合で存在します。

[st-kaiwa1]本記事では転職情報サイトが出しているデータを参考に、TOEICと年収の関係について見ていきたいと思います。[/st-kaiwa1]

TOEICスコアと年収の関係はどうなっている?

TOEICスコアと年収の関係を考える前に、そもそもビジネスシーンで英会話や英語の読み書きができるという事と年収がどういう関係にあるのかを確認してみましょう。

株式会社キャリアインデックスは、 プレスリリース配信サービスのPRTIMES上で「年収700万円以上の人は約半数(48.7%)が英語での日常会話や読み書きが出来ると回答した」というレポートを発表したことがあります。

【情報元】https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000018685.html

さらに年収500万円から700万円未満の人では34.0%、年収500万円未満では22.4%という結果となり、年収の高い人ほど仕事で使える英語力を備えている割合が高いことが分かりました。

次にTOEICスコアと年収の関係について確認してみましょう。

転職サイトのDODAが行った調査結果では、TOEICスコア700点以上のグループでスコアが高いほど平均年収も高くなるという相関関係が分かりました。

このデータは2013年にDODAエージェントサービスに登録したホワイトカラー系職種の約10万人の会員を対象に実施したものです。

【情報元】https://doda.jp/global/guide/004.html

TOEIC400~600点台では平均年収にほとんど差が見られないのに対して、700点以上のスコアを持つ会員層になると、TOEIC のスコアと年収との間に明らかな相関関係が見られるようになっています。

[st-kaiwa1]この2つのデータが物語ることをどのように解釈すればよいでしょうか?[/st-kaiwa1]

注目すべきなのは 2つのデータはあくまでも「英語ができる人、TOEICスコアが高い人のほうが平均的な収入が多い」という事実だけを語っているというものです。

必ずしもTOEICで良い点数を取れば、いきなり仕事でもらえる収入が増えるということではありません。

1つ推測を加えるとしたら英語力の高い人のほうが、海外も相手にする責任の大きい役割を仕事上で担っており、英語力も含めた仕事のパフォーマンスを評価されているので高い収入を得ているという事でしょうか。

TOEICで高得点を取れば、転職市場で有利になる

TOEICでハイスコアを取れば年収が上がるわけではありませんが、海外市場を狙う企業がますます多くなるビジネスシーンでは、TOEICで高得点を取ることで転職活動をより有利に戦えることは事実です。

ここで別のデータを見てみましょう。

さきほどと同じくDODAエージェントサービスが調査したデータによると、TOEIC受験者のほうが、受験していない人に比べて1.23倍も転職成功率が高いということが分かっています。

これは20代から40代の登録者の平均で、特に30代のグループでは転職成功率が1.41倍という結果になっています。

【情報元】https://doda.jp/guide/saiyo/011.html

中途採用の求人の条件にはTOEICが「700点以上」「800点以上」など英語力を有していることの証明として必須条件としているものもたくさんあります。

TOEICで700~800点以上のハイスコアを取ることで「英語ができる人材」として転職市場で注目されるようになるので、そのぶん高い収入の案件にチャレンジする機会が増えることになります。

そうすれば今の仕事より収入の良い仕事につける可能性も高まるので、TOEICスコアを足がかりにして年収アップを実現できるでしょう。

もちろんビジネス英語には「読む・聞く・話す・書く」の総合的な英語力が必要なので、TOEICスコアだけが良ければ即採用というわけではありません。

TOEIC以外にも、企業が求める英語力やその他のスキル、経験を持っていることは欠かせません。

[st-kaiwa1]TOEIC高得点でも話せない、英文メールが書けないなんて事は、練習が足りないとよくありますからね。[/st-kaiwa1]

バリバリの外資系企業では、上司や同僚が外国人で英語で話すのが当たり前!面接官との英語でやり取りできるかも採用の基準になります。

国内企業の海外部門などの場合は、面接官本人が英語ができない場合もあるので、TOEICスコアで英語力が判断されることもありえます。

このように国内・外資など企業の文化や背景によって、TOEICの影響度は異なるものです。

それでも、自分の英語力を数値で客観的に示す材料としてTOEICスコアは役に立ちます。

転職活動を考えている人はTOEICを定期的に受験し、自分の英語力を数値でアピールできるように備えておくと良いでしょう。

TOEICを活用して総合的な英語力を伸ばしていこう!

いくつかのデータを見てきましたが、次の3点が理解しておくべきポイントになります。

  • 年収の高い層ほど、仕事で使える英語力を身につけている割合が高い
  • TOEIC受験者のほうがTOEIC未経験者に比べて転職成功率が高い
  • TOEIC以外の能力も大事だが、高得点のほうが応募できる案件が増える

つまり仕事で使える高い英語力を備えている人が、より年収の高い仕事につける可能性が高く、その仕事をつかむきっかけとしてTOEICスコアは自己アピールの材料になるというわけですね。

このように説明するとTOEIC対策をすることにあまり意義を見出せない人もいるかもしれません。

「TOEICがなくても自分はちゃんと英語力があるんだ!」と言いたくても、TOEICスコアが足切りに使われることが多いのが現実なので、転職市場のあり方に疑問を抱く人もいるでしょう。

しかしTOEICの対策もしながら、英会話力も向上させる勉強を取り入れることで総合的な英語力をきたえることは可能です。

最新のTOEICの試験問題はビジネスシーンで使われる英語にかなり近づいてきており、TOEICの英文はまさに「ビジネス英語で使える良質な例文集」です。

TOEICはリスニングとリーディングの試験なので、スコアには英会話のスキルは反映されませんが、TOEICの勉強をすることで「英語を英語のまま理解できる」基礎を身につけることができます。

また、ビジネス英語で使える単語の語彙を増やすこともできるし、英文を正確に素早く読む「精読」「速読」のスキルも鍛えることができます。

さらにシャドーイングや音読などアウトプットをともなう練習もすれば発音の改善、スピーキング向上につながります。

音読を通じてTOEICの英文を脳内のデータベースを蓄えて声に出せる状態にしておけば、英語でのミーティングや電話、英文メールを書く時などにすぐに定番のフレーズを取り出すことができる思考回路を作ることができます。

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アウトプットの比重を増やしたければオンライン英会話などで覚えた英文をドンドン使う時間を確保しましょう。

このような工夫をすることで面接時にはTOEICスコア以外の英語力もあることをアピールできるし、「この人は留学などの経験はなくても自分できちんと努力ができる人だ」のように好印象を与えることもできます。

海外進出を積極的に図りたい企業の中には、経験が多少足りなくても英語ができる人材を取りたいと思っているところもあります。

「自分のTOEICスコアの背景には、こういう資質があるんですよ、御社が求めているものにフィットしていますよね?」みたいに、相手によってはアピールが可能なはずです。