TOEICで「時短」は可能か?| 勉強のやり方のコツ

「10日で楽してTOEICの点数100点上げたいなぁ…」

「勉強する時間ないから、短期間でスコアを上げるテクニックが知りたい」

日々忙しく仕事をしているのにTOEICの勉強をしなければいけなくなった人であれば、「楽してスコアを上げたい」と思うはずですよね。

時短と言えば、料理や掃除などの家事の時間節約を思い浮かべますね。ロボット掃除機のルンバなんかが時短を可能にしてくれる家電の良い例だと言えます。

ではTOEICでも「時間を節約して良い点数を取りたい」という考えは通用するのでしょうか?

残念ながら、「30分かかっていた調理が圧力鍋なら10分で!」みたいな時短はムリです。

でも、一定期間内でTOEIC・英語学習にかける時間の量と質を改善することは可能です。

その他にTOEICテストの本番で回答スピードを上げるための便利グッズもあります。

それでは時短を「勉強法」と「試験本番」の2つのポイントに沿って、くわしく見ていきたいと思います。

TOEICスコアを決める方程式を知ろう

TOEICの勉強で時短を実現するために知っておきたいことが「TOEICスコアは何によって決まるのか?」ということです。

TOEICスコア=(量×質)+テクニック

TOEICスコアの方程式の意味

「量」とは勉強時間のことです。勉強時間を増やせば、スコアは伸びます。社会人にとっては一番ネックになるところですが、勉強である以上、時間をうまく確保することは絶対に必要です。

「質」とは効率的な勉強法、自分のレベルに合わせた正しいアプローチなどが当てはまります。勉強のモチベーションや集中力も質に影響します。

量と質のかけ算で得られるものがスコアのベースになります。基礎的なリスニング、長文読解の力であり、ビジネスで使える実用英語の基礎を成す部分でもあります。

同じ1時間の勉強でも間違った方法でやるのと、正しい方法で取り組むのでは成果が全然違います。だから、量と質の関係はかけ算になっています。

3つ目の「テクニック」はTOEICの大量の問題をすばやく正確に回答するためのコツのようなものです。

テクニックにはリスニングのPart3、Part4、リーディングのPart7で設問の先読みができることだったり、Part2の選択肢で、似たような音の単語が聞こえるものが間違いの可能性が高いこととか、あるいは長文問題のパターンを把握して重点的に読むポイントを絞り込めることなどです。つまりTOEICのテスト形式に合わせて英語力を発揮するために必要なのがテクニックです。

あくまでテクニックは英語力をベースにしてスコアを引き上げるものなので、足し算になっています。

時短のポイントは、勉強時間の確保と勉強法

TOEICスコア = ( 量 × 質 ) + テクニック

この方程式で大事になるのが、勉強の量と質です。

現在のTOEICの出題形式は難易度が上がっており、基礎的な英語力に加えて、情報収集・情報処理能力も求められるようになっています。まさに「英語で素早く正確に情報をインプットして理解できる能力」が問われるテストだと言えます。

そのベースになるのが英語力です。TOEICの問題に慣れて、試験テクニックを身につけることも必要ですが、やはり高校レベルまでの文法、TOEIC単語の語彙、長文読解、リスニング力をじっくり鍛えることが不可欠になります。

そのためには

・勉強時間をしっかり確保すること

・目標スコアや自分のレベルにもとづいて、効果的な方法で学習すること

この2つがポイントになります。

ここからは、どのようにして勉強時間(量)と質を上げていけばよいのか詳しく説明していきます。

時短のポイント1 試験当日までの勉強量の最大化

TOEICが基礎的な英語力を試す試験である以上、一定の勉強時間を確保して基礎を身につけないといけません。TOEICの勉強時間を増やせば、かわりに遊びや趣味に使う時間を減らすことになります。

他の予定とのバランスをとりながら、TOEICの勉強時間を増やし、密度を上げる工夫が必要です。

勉強する期間を、試験直前の1~2ヶ月に絞る

私の場合、初めてTOEICを受験して600点を取ってから、800点を突破するまでに約4年かかりました。でも4年間ずっとTOEICの勉強をしていたわけではありません。

そのかわり、受験する日程と目標スコアを決めたら、直前の1~2ヶ月を集中的に対策する学習期間として設定することにしました。「試験直前の期間だけ集中して頑張る」と決意することで、集中力がアップするという効果もありました。

逆に1年間だらだらと勉強していても、集中力は続かなくて挫折していたことでしょう。それに勉強期間を長く設定すると「今日は疲れたから、明日やればいいや」と言い訳して、何でも先延ばしにしたくなるものです。

TOEICで時短をしたいときは、あえて数ヶ月の短い学習期間を設定して、その期間における勉強時間を少しでも多く確保するようなスケジュールを立てることをおすすめします。

TOEICは1年間に10回も開催される試験なので、とりあえず2ヶ月くらい先の日程の試験に申し込んでみましょう。そうすれば、申し込んだ瞬間から「試験直前期間」がスタートします。

長期間ダラダラと勉強するよりも、実際の試験に狙いを定めて、集中的に勉強する期間を設定すること。

これが時短=目標スコア到達までの期間を短縮することのポイントの1つです。

学習期間を決めたら、学習計画を立てる

試験を受ける日程と学習期間を決めたら、次に学習計画を立てましょう。学習計画を立てるときは、まず

「TOEICの勉強に使える時間が自分にはどれだけあるのか?」

を把握しなければいけません。そこで、1週間(月曜から日曜の7日間)の自分のスケジュールを書き出してみましょう。次のようにザックリとした内容で大丈夫です。

 

このように自分の1週間のおおまかな予定を書き出してみると、帰宅してから寝るまでの夜間はけっこう自由な時間があるということに気づきます。サンプルは非常にざっくりしていますが、料理・洗濯などの家事や地域活動など、時間を取られることは色々あるでしょう。

予定を書き出して自由に使える時間がどれだけあるのかを把握したら、どの時間帯をTOEICの勉強に使うのか?を決めて学習計画を作ります。

200個の単語を覚える、TOEICのリスニング問題を100題解くなどの目標を設定して、何曜日の何時にやるのかを当てはめていきます。

勉強時間が足りなければ、飲み会に参加するのをやめるとか、習い事をしばらく休むなどの調整をして勉強時間を確保します。1~2ヶ月の辛抱だと思って、がんばりましょう。

スキマ時間を活用して勉強時間を稼ぐ

スキマ時間でもやろうと思えば、TOEICの勉強はできます。1日の間には5分、10分単位の「何もしてない」スキマ時間が意外とあるものです。

電車通勤の場合なら電車の中で参考書を読んだり、TOEIC用アプリをスマホに入れたりして勉強が可能です。朝の歯磨きをする間にリスニング音声を聞くとか、会社の昼休みにリーディング問題を1題解くなど、工夫はいくらでもできます。

このようなスキマ時間を積み重ねたら、日中も60分くらいの勉強時間が確保できます。それにプラスして、夜に1~2時間の勉強時間をまとめて確保すれば1日に2時間以上、TOEICの勉強に使うことは十分可能です。

時短のポイント2 勉強の質を最大化

10分、30分、60分と勉強時間を確保したら、効果的な方法で質を高める工夫が必要です。いろんな教材に中途半端に手をつけたり、英語を聞き流すだけ、など間違った方法で勉強してもTOEICスコアは伸びません。

目標やレベルに合わせて重点的に対策する

現在の英語レベルに合わせて、優先順位を決めて勉強しないとTOEICスコアは順調に伸びていきません。

TOEIC500点未満の人であれば、中学・高校レベルの英文法からやり直したほうがいいです。いきなりTOEIC公式問題集などの模試をやるよりも、文法を理解し、英語を語順の通りに読めるようになる練習を先にしたほうがいいです。

600点レベルの人が700点、800点台を目指すならば、目標スコア別に必要な英単語を覚えたり、英文を速く読むための速読の練習をしたり、設問の先読みなどのテクニックを習得しなければいけません。

このように目標や現時点の英語レベルによって、重点的に対策するべきポイントが変わってきます。自分のレベルに合った、正しい勉強法を取り入れて効率的にスコアを上げていきましょう。




TOEIC400~800点までの勉強法を935点の私が目標スコア別に解説

あれこれ色んな教材に手を出さないこと

色々な教材や問題集に手を出して、どれも中途半端な理解度のまま終わらせるのは止めたほうがいいです。これはTOEICを含めた試験勉強すべてに当てはまることです。

成果を出すためには、同じ教材で何度もくりかえし学ぶ「反復学習」が最も効果的です。

たとえば参考書で中学の英文法をやり直すとします。

始めから最後まで1回読んだだけでは、内容を理解することはできません。TOEICの問題を解くために「使える知識」にするためには、2,3回くりかえし読み、例文を音読し、同じ問題を愚直に解くというプロセスが必要です。1回目ではうろ覚えだった記憶が、2回3回とくりかえすことで細かい情報まで鮮明に覚えた状態に進化させることができます。

公式問題集などの模試を解くときも、1回解いて答え合わせをして終わりではダメです。くりかえし同じ問題を解くことで、問題のパターンに慣れることができます。そうすると、初めての問題でも「この問題はあのパターンだな」と気づいて冷静に素早く回答できるようになります。

リスニング問題は英文を正確に理解してから何度も聞き込むことで、語順の通りに意味を理解できる耳をきたえることができます。リーディング問題も同様に文法構造をしっかり理解してから音読することで、文章を読むスピードをを上げることができます。

教材の使い方にも成果を出すための正しい使い方があることをぜひ知っておいてください。

TOEICの試験形式に合わせたテクニックを身につける

テストである以上、それに合わせた解き方やテクニックがあります。

いかにもテストのための勉強という感じで、否定的に捉える人も少なくありませんが、時短でハイスコアを目指すならば、絶対にテクニックは必要です。

よくある回答テクニックの例としては、次のようなものがあります。

「Part1 写真描写問題」

・写真にない名詞が出る選択肢は間違い

・受け身の進行形でミスを誘ってくる

「Part2 短文の応答問題」

・同じ音、類似の発音が聞こえる選択肢は間違い

・「わからない」「知りません」などの否定的な回答をしている選択肢が正解になること多い

「Part7 長文読解問題」

・設問を先読みして、回答に必要な部分だけを読む

インターネットで検索すれば、勉強してなくてもすぐに点数が上がると言っているテクニックが色々紹介されています。

しかし最近のTOEICの問題形式を考慮すると、どれも小手先のテクニックでしかないと私は思います。

迷ったときのヒントとしては参考になりますが、たいして役に立たないものばかりです。問題の意味に最も合った選択肢を選ぶ力がないとハイスコアは無理です。小手先のテクニックよりも、反復学習で問題のパターンに慣れることのほうがよほど役に立ちます。

Part3,4,7で設問の先読みができるようになろう

TOEIC対策で身につけるべきテクニックは、なんと言っても「設問の先読み」です。

設問の先読みは、リスニングのPart3、Part4、リーディング問題のPart7で絶対に必要なテクニックです。リスニングでは先読みをしないとどこに重点を置いて聞き取りすればよいか分からなくなり、回答を選んでいる間に次の問題が始まって間に合わなくなるという事態に陥ってしまいます。

リーディングのほうも同様です。TOEICではとにかく大量の英文を読みこなすので設問の先読みで重点的に読むべきポイントを意識しないと時間が足りなくなります。

試験本番の回答時間を短縮するためにも、「設問の先読み」は必ず身につけましょう。

 

時短のポイント3 便利グッズで回答時間を短縮する

ここまでは、TOEICスコアのベースとなる英語力を身につけるための勉強量と質の確保の仕方について紹介してきました。ここからは試験本番の回答時間を、1秒でも短縮するための工夫について紹介します。

マークシートは鉛筆で塗りつぶす

試験会場に行くと、シャープペンで回答している人をたくさん見かけます。ノートを書くときにシャープペンを使うのは学生時代からの習慣で当たり前に思っている人も多いですが、マークシートを塗るTOEICでは鉛筆を使ったほうが断然塗りやすいです。

鉛筆の芯のほうがシャープペンのよりも太いので、少ない動作でマークシートの丸を塗ることができます。さらに鉛筆は使っているうちに先が丸くなるので、リスニングの30問目あたりからどんどん塗るのが楽になります。

確かに1回あたりの時間差は鉛筆とシャープペンとでは、大差ないです。しかしリーディング問題ではその差が明らかに影響を及ぼします。リーディング問題はますます難しくなり1分1秒もムダにできません。900点レベルでもPart7を最後まで解き終わることができない人がいるくらいの代物になっています。

もし鉛筆を使うことで、マーク1個を塗る時間を0.5秒節約できたとします。リーディング問題は全部で100問なので、合計で0.5×100 = 50秒を節約できます。50秒あれば、Part5の問題を2問、Part7の問題を1問解けるくらいの時間が確保できます。

マークシートに特化したシャープペンもあるよ

「鉛筆を使うのビミョ~」と思った人におすすめなのがマークシートに特化したシャープペンシルです。これは通常のシャープペンシルよりも太い芯を使っているので、少ない動作でマークを塗りつぶし、回答時間の短縮につながります。

楽に塗れるので、手の疲れも軽減できます。次回TOEICを受験するときは是非これを活用してください。

おすすめは「ぺんてる マークシートシャープペン」です。マークシートに適した薄型の消しゴムもセットになっているので、塗り間違えをしたときも素早く修正ができますよ。

1人で勉強できないときは、パーソナルコーチもおすすめ

TOEICで時短を実現するためには、一定期間内の勉強量を増やし、効率的な勉強法で対策することが大切です。

そして時短のためには、ストイックな生活スタイルが求められます。1人だとつい自分を甘やかしてサボってしまうかもしれない。そんな不安がある人は、TOEIC対策のパーソナルコーチを受けられるサービスを利用するという選択肢もあります。

お金は当然かかりますが、自分の学習状況を管理して適切なアドバイスをしてくれるコーチの存在は目標達成の大きな支えになります。

パーソナルコーチは通学型のサービスが主流ですが、最も気軽でリーズナブルな価格で利用できるのがスタディサプリENGLISHの「パーソナルコーチプラン」です。

こちらは通学型ではなく、オンライン完結型でチャットツールや電話で専属コーチとやり取りをするものですが、自分にあった学習計画の作成や勉強の悩み相談など必要十分な指導を受けられるので、自分と一緒に走ってくれているという伴走者がいることを感じながらTOEICの勉強ができます。

1人だけで勉強できるか不安な人、勉強のやり方についてアドバイスを受けたい人はパーソナルコーチプランを活用して、時短でハイスコアを目指しましょう。