英語が聞き取れないのはなぜ?3つの原因を解説します。

リスニングができなくて悩んでいる人、多いですよね。

「何度聞いても英語の音が聞き取れない!」

「TOEICのリスニングが呪文にしか聞こえない!」

「読めば分かるのに、音声だと全く聞き取れない…」

私が大学受験の勉強をしていた頃、英語の文章は読めるのにリスニングができなくて悩んでいました。英語の音を聞き取るにはやっぱり才能がないとダメなのかと、半ばあきらめていました。

でも、それは大きな誤解でした。英語を聞き取れないのは、英語の音について体系的に学ぶ機会がないことが原因です。

具体的には、

  • 英語の母音、子音の発音
  • 英語の音の変化のパターン
  • 英語独特のイントネーション

この3つをきちんと学ぶ経験が不足しているせいで、多くの日本人は英語を聞き取るのに苦労しています。

学校の英語教育では、英文和訳や文法の解説が中心で「英語の音」について体系的に学ぶ時間はほぼありません。授業中に教科書の音読をしたりする時間はありますが、ネイティブの標準的な発音で読むとどう聞こえるのか?ということを学ぶ機会はほぼ0です。

発音、音の変化、イントネーションという3つの原因について知って改善しないと、効率的にリスニング力を伸ばすことはできません。

英語の音について理解しないまま、ただ聞き流しても英語は聞き取れるようにはなりません。脳の発達が完成した大人にとって、気軽な「聞き流し」は実は最も遠回りな方法です。

それでは、英語が聞き取れない3つの原因について詳しく見ていきましょう。

【原因1】発音 知らない音は聞き取れない!

日本語よりも母音、子音の種類がずっと多い言語です。日本語にはない発音が英語にはたくさんあるので、1つ1つの音の特徴を知らないと苦手を克服することはできません。

「あ・い・う・え・お」だけじゃない、英語の母音

英語と日本語でそれぞれ使わせる音の要素を比べると次のようになります。

母音
日本語 5個
英 語 11以上
子音
日本語 14個
英 語 21以上

ちなみに母音は喉の声帯をふるわせて出す音で、下や唇で妨げられない時の音です。子音は口のどこかに息を当ててできる音で、息の当たる場所や強さなどで色々なパターンを作ることができます。

日本人にとって「ア」に聞こえる母音でも、英語ではɑ,æ,ə,ʌなどの違いがあり、それによって単語の意味が違ったりします。

少ない母音で話している私たち日本人が英語を聞き取るためには、ネイティブスピーカーの使うたくさんの母音を区別できるようになることが必要です。

英語には子音だけで作る音もたくさんある

日本語は基本的に母音と子音が合体した音で話しをします。

たとえば「はじめまして」と言うとき、「は(ha)・じ(ji)・め(me)・ま(ma)・し(shi)・て(te)」のようにそれぞれの音は必ず母音と子音の組み合わせでできた音で構成されていることが分かります。

英語の場合、これ以外に子音だけで発音される音、子音同士がくっついて作られる音があります。これらは日本語では使われない音なので、何も知らずにひたすら聞いているだけではいつまでたっても聞き取ることができません。

典型的な例が”th“の発音ですね。

that,this,think,birthなどがあります。よく舌を噛んで息をはき出すように発音しなさいと言われるやつです。母音ぬきで作られる音なので油断すると、日本語の「でぃ」や「ざ」の音になってしまいます。

cough(咳)、stiff(硬い)、guest(客)のgh,ff,stのように子音で終わる単語が多いのも英語の特徴です。こうした子音の使い方の違いのせいで、日本人は英語を聞き取るのにとても苦労します。

音の出し方を知ることでリスニングが向上する

日本語で使われない英語の音について理解できていなければ、いくら英語を聞いたところで雑音にしか聞こえません。

でも、発音のトレーニングを積んで英語の母音・子音を区別できるようになれば、耳のほうも英語の音に慣れてくるのでリスニング力が上がります。

発音というのは唇や舌の動きで決まるので、正確な発音を学ぶには唇や舌の形や動きをひたすら真似するトレーニングを積み重ねるしかありません。声に出して練習することで、自分の耳に英語の発音をなじませることができます。

日本語とは違う口の動かし方をするので発音トレーニングは大変かもしれません。でも根気よく続けることで、LとR、she(彼女)とsea(海)の発音の違いなども区別できるようになってきますよ。

英語圏の子供たちもやっているフォニックスがおすすめ

数多くの英語の発音を学ぶときにおすすめなのが、フォニックスです。

フォニックスとは発音と綴りの関係や規則性を表したルールです。英語圏の子供はまず音で単語を覚えますが、音から綴りを連想し、また綴りから正しい読み方をできるようにするために勉強するのがフォニックスです。

日本の小学生がひらがなやカタカナの書き方や読み方を学ぶように、英語圏の子供たちはフォニックスで勉強するわけですね。

フォニックスは大人の英語学習者にも効果的です。日本の英語教育では発音と綴りの関係性を教えてもらえる機会がないので、英語の発音方法を学ぶことで大人の人でもリスニング、スピーキングを大幅に向上させることが可能です。

フォニックスの学習におすすめなのが、こちらの教材です。

CDBフォニックス<発音>トレーニングBOOK (アスカカルチャー)

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また、発音の学習については後日詳しい内容の記事を公開したいと思います。(公開されたらこちらにリンクを貼ります)

【原因2】英語の音の変化のパターンを知らない!

英語が聞き取れない原因の1つが、発音の変化です。

日本語と違って、英語は単語が文章の中で使われると、音が変化するという特徴を持っています。

「英語を読めばすぐに分かるのに、全然聞き取れない」

こういう悩みにぶつかるのは、英語の音の変化が理解できていないためです。

日本語で「はじめまして」はふつうに「は、じ、め、ま、し、て」と発音しますよね。

しかし英語で”Nice to meet you”と言うとき、「ナイス、トゥ、ミート、ユー」では「ナイストゥミーチュウ」となります。隣り合う単語とくっついたり、tなど発音されない文字があったります。

先ほど解説した発音も大切です。でもそれが生きた英語の中で使われると、しょっちゅう音の変化が起きるので音の変化もしっかり理解しないとリスニングは上達しません。

ネイティブは省エネ型の発音を使いたがるので音の変化が起きる

次の例文を見てください。

(1) This is the book I want to read.

(2) Will you show me the e-mail you received from her yesterday?

このとき、各単語を1つずつクリアに発音しても、もちろん意味は通じます。学校の授業で英語の先生がお手本を示すときは、たいてい1語ずつクリアに発音するので、私たちの多くはその読み方に馴染んでしまっています。

でもそれでは顔の筋肉をたくさん動かすことになり大変です。それに、この話し方では説得して言って聞かせるような、くどい印象を相手に与えます。

ふつうに英語を話すときは、もっと省エネ型の言いやすい形になります。その結果、英語では様々な音の変化が起こるのです。

音の変化の代表例である連結、脱落、同化を知っておこう

ネイティブスピーカーの使う英語の音の変化にはパターンがあります。このパターンを押さえておけば、省エネ型の実用的な英語の音を聞き取れるようになります。

音の変化を認識できるようになれば、TOEICのリスニングスコア向上にもつながるので、ぜひ知っておいてください。

英語特有の音の変化のパターンは次の通りです。

【その1】連結:隣の単語の音とつながる現象

英語の文章では、単語と単語の間に空白が置かれますが、発音されるときには切れ目なく続きます。このとき2つ以上の単語がくっついて、1つの単語のように聞こえます。

例えば、”talk about” は「トークアバウト」ではなく、連結されて「トーカバウトゥ」と発音されます。他に”Not at all” は「ノタロール」、”far away”は「ファーラウェイ」のようになります。

このように隣り合う単語動詞がつながる現象が連結(リエゾン、リンキングとも言う)です。単語の発音だけを覚えても、連結が起こるともとの単語が何だったのか分からなくなります。

【その2】脱落:音が抜け落ちる現象

生きた英語の中では、単語の音の1部はこぼれ落ちて発音されないことがよくあります。”Good morning” は「グッモーニン」となるように、goodの”d“は脱落して読まれなくなります。よく脱落するのが語尾にあるt,d,gなどです。

TOEICの教材でも、何回再生してもスクリプトに書いてある通りに聞き取れない事がありますが、本当に発音していない場合が結構あります。

【その3】同化:音と音が混ざり、別の音になる

洋楽の歌詞でよく出る wanna が代表例です。wanna のもともとの形は want to です。2つの音が連続することで、別の音になるのが「同化」です。

I want to play tennis every day  →  I wanna play tennis every day.

wannaのほかにも、”want you”はtとyがくっついて「チュー」という音になります。

そのほかにも

・”as you” →  sとyがくっついて 「アジュー」

・”did you” → dとyがくっついて「ディジュー」

なども2つの音が影響しあって、別の音に変化する例です。中学レベルの単語ですが、ネイティブらしい発音を知らないと混乱してしまいます。

 

英語の音声変化について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

学校では教えてくれない、英語の音声変化のパターン

 

文字と音のセットで覚えて、音の変化のストックを増やす

音の変化については、「こういう場合に起こるんだ」ということを最初にザックリと覚えましょう。音の変化は話すスピードや人によっても微妙に異なるので、すべてを暗記することはできません。

そのかわり、なるべく多くの英語を聞いて音の変化の実例をストックしていくという感覚で学ぶと良いでしょう。

このとき英語の文章と音声が必ずセットで確認できる教材を選ぶことが大切です。聞こえてくる英語の音に対応する単語がどれなのかを確認することで、音の変化をはじめて理解できるからです。

【原因3】英語独特のイントネーションを知らない!

 

「英語がブチブチ途切れたように聞こえて、途中の単語しか聞き取れなかった」

そんなことってありませんか?

英語は日本語よりも声の強弱や抑揚が激しい言語です。この特徴的なイントネーション(文章全体の音の強弱のつけ方)も、日本人が英語を聞き取るのを難しくしている原因の1つです。

日本語は比較的イントネーションがなく、全体的に平坦な調子で話す言語だからです。

日本語にはない英語独自の強弱のリズムがあることを知ろう

英語は等間隔に強調される音が登場します。以下の例文の太字の部分が強調されて読まれる所です。

What type of document do you need?

Did you buy this car on your own?

I thought you told me she was an artist.

I don’t understand why he said such a thing.

まるでメトロノームがカチカチと動くように英語には一定の強弱のリズムがあり、日本語にはないイントネーションを作っています。英語がブチブチ途切れるように聞こえるのは、この強めに発音される部分にばかり注意が向いてしまうせいです。

一定間隔の強弱のリズムが英語らしい音を作っている

一定間隔で現れる強弱のリズムが生み出すイントネーションが、英語らしい音を作っています。

逆に、すべて同じ強さで発音すると、不自然な英語に聞こえます。

英語のリズムを身につけていない人の場合、さきほどの例文の

”I don’t understand why he said such a thing.”

も単語ごとに区切って I / don’t / understand / why / he / said / such / a / thing と1語ずつマジメに読んでしまい、不自然な英語になります。

発音の仕方も理解していないと、日本語特有のカタカナ英語になってしまい外国人と話すときに通じなくて困ることにもなります。

そうではなくてイントネーションを意識するのが正しい英文の読み方です。ネイティブは例外なくこの読み方をするし、それはTOEICのリスニング問題でも同様です。

これを理解せずに日本語と同じ感覚で英語をリスニングすると、文章がブチブチ途切れるように感じて単語3つしか聞き取れなかったという事態になってしまいます。

音読で英語のイントネーションが習得できる

英語独特のイントネーションを習得するのに、おすすめなのが「音読」です。ひたすら声に出して英文を読むこと。その時だけは自分が日本人であることを忘れて、ネイティブスピーカーの話す音声を忠実に再現することを目指してください。

そして音読をする時に、ここで解説した英語の発音、音の変化、イントネーションを意識することで、だんだん英語が聞き取れる耳ができあがってきます

音読は自分の声で英語を発音し、それを耳からインプットするのでスピーキング、リスニングの両方の力を伸ばせる効果があるので積極的に取り入れたいですね。

語彙力や文法が弱いとリスニングができない

ここまでは英語の音に関する原因を挙げてきましたが、実は語彙力や文法もリスニング力に関係しています。語彙力や文法は、英文読解には必要な気がしますが、なぜリスニングにも関係するのでしょうか?

聞き取りできても意味が分からなければ、聞いてないのと同じ

いくら音を正確に聞き取ることができても、それが何を意味しているのか分からなければ、聞いていないのと同じです。

日本語でも同じことが言えます。

 

たとえば、神社の神主さんが祭礼などで唱える祝詞(のりと)が良い例です。

たかあまはらにかみづまります

すめむつ かみろぎかみろみの みこともちて

かみあかりに いついろのみてくらを たてまつり

いおさのかみ いくものかみ いつらのかみ をおきまつりて….

一応聞き取ることはできますが古風な言い回しの日本語です。どこで分節が切れるのか分からないし、出てくる単語もイメージができないので神主さんが何を言っているのか、サッパリ分からないという事になるわけです。

例えにちょっと無理があったかな…

日本語であっても、聞き取った音を処理して意味を理解するためには、語彙や文法の力が必要なのです!

英語ならば、なおさらです!!

文法が弱いと、英語を語順の通りに理解できない

皆さんも知っての通り、日本語と英語では主語や述語などの順番が違います。英文を読むのに慣れていない人は、日本語の順番にとらわれて、文章を行ったり来たりしてしまい読むのが遅くなります。いわゆる「返り読み」というやつです。

返り読みを克服して、英語を語順の通りに理解するには、文法のルールにしたがって文章の意味を頭から理解することが大切です。

そして、それは英語を聞くときにもっと重要になります。

基本的にリスニングでは聞き逃したところに戻ることはできないので、聞き取った音を頭からドンドン処理しないと意味を理解できません。

語彙力が弱いと、聞こえた音から英単語が連想できない

語彙力があるということは、単語の発音、意味、綴りの関係を示すデータをたくさん持っているということです。このデータが大量にあればあるほど、耳で聞きとった音に当てはまる単語を探し当てるのが速く楽にできるようになります。

逆に語彙力が弱いと、せっかく聞き取った音の意味することが分からないので結局何も聞こえていないのと同じことになります。

このように文法、語彙力は英文読解だけでなく、リスニングの土台にもなる大事な基礎スキルなのです。

 

【まとめ】英語が聞き取れない原因と対処法について

今回は発音、音の変化、イントネーションという観点から、英語が聞き取れない原因について解説しました。

日本の英語教育では、「英語の音」の習得については個人の努力に依存しているところが多く、ちゃんとした仕組みができていません。そのため、多くの人がリスニングに苦労するわけですが、1つ1つの原因に地道に対処していけば、確実にリスニングは伸ばすことが可能です。

英語のリスニングができてなくてお悩みの人は、自分に当てはまる原因をまず知って、それぞれに適した方法で勉強してみてください。

英語が聞き取れない原因
(1)英語の発音を知らない。
→英語圏の子供もしているフォニックスで英語の正しい発音を学ぶ
(2)英語の音の変化を知らない。
→連結、脱落、同化などの変化のパターンを知り、英文とセットになった音声を聞き込む
(3)英語独特のイントネーションを知らない。
→音読練習で、英語のリズム、音の強弱を体に覚えさせる