7つのポイントで理解 英単語を30日間で500個覚える勉強法

「子供の頃のように物覚えが良くないので英単語はなかなか覚えられない」

英単語の語彙が足りない英語初級者の方から、よくこういう言葉を聞きます。英単語暗記の学習効率は個人の記憶力によって左右されてしまうものだと思っている人も多いですが、正しい英単語の覚え方を習得すれば、忙しい社会人でも30日で500個の英単語を覚えることは十分に可能です。

なぜか学校では「効率的な記憶のやり方」を教えてもらえる機会がありません。

なので、多くの方が受験勉強で英単語の大量暗記に苦しんだ経験をしたことと思います。

この記事では私自身の英単語暗記の経験や、脳の記憶の仕組みをベースにして「誰でも30日で500個の英単語を覚える学習法」を紹介します。

英単語がなかなか覚えられない人へ

英単語が覚えられない本当の原因とは?

英単語が覚えられない原因はただ1つ、間違った勉強法をしているからです。
たとえば、1日10~20個のペースでコツコツ覚えようとしている人はいませんか?単語の意味やスペルを完璧に覚えるために白い紙に10回書いておぼえるようなことをしていないでしょうか?

これで結果が出れば素晴らしいですが、かなりの気合と根性が必要で、忙しい社会人には日向いていません。じつは大学受験の勉強している時の私はこの方法で英単語の暗記をしていました。受験生なので時間もあったし、死んでも合格してやるという気でいたので(笑)、何とかなったのですが、これから英単語の語彙力をきたえていきたい方には、おすすめできません。

英単語を効率的に覚える秘訣は、最初から完璧に暗記しようとせず、1日100個くらいのペースで何度も繰り返し同じ単語に触れることで、段階的に単語の意味やスペル、発音を覚えていくということです。

私の英単語暗記の失敗談

筆者である私も、これまで英単語の語彙力増強に何回か取り組んできましたが、振りかえってみると、あまり正しくない方法で気合を頼りにやっていたなぁという感じです。だって、誰も暗記の仕方を教えてくれませんでしたから(笑)

最初の失敗は大学受験のときです。Z会の出版している速読英単語の「必修編」、「上級編」を単語帳として使っていました。気合で1冊3回は読んだおかげで語彙力のベースはできたのですが、もっと時間短縮できたはずでした。

失敗の1つは完璧主義にとらわれていたこと。速読英単語には長文の中で覚えるべき英単語が登場し、実際の使用例を見ながら英単語を暗記する仕組みになっているのですが、生真面目なことに長文を1つ1つ読み込んで単語帳に書いてあることをすべて覚えようとしていました。

2つ目の失敗は、単語をプリントの裏とかに書いて覚えようとしていたこと。単語を10回書いて覚えるという非効率的なことをしていました。後で詳しくお話しますが、正しい単語の暗記法は30日以内に何度も繰り返し同じ単語に触れることなので、スペルを書くことに大した意味はありません。

3つ目は、一度にたくさんの意味を覚えようとしたことです。これも完璧主義が原因なのですが、”observe”などの単語が持つ複数の意味を一度に覚えようとしていたことです。効率的な暗記の秘訣は反復なので、最初は1つの意味だけを覚えて、繰り返す中で他の意味を覚えるようにしたほうが記憶しやすかったと思います。

最後に、失敗というより苦労したことですが、日本語→英語の順番で単語を覚えようとした時はかなりきつかったです。これは仕事の事情で通訳案内士の勉強をしていた時に気づきました。ふつうは英語→日本語の順番で覚えますが、通訳案内士の場合、日本語を英語で言い換える知識が要求されます。たとえば”年功序列”→”seniority ranking system”、”屏風”→”folding screen”などです。

そのほか”振袖”→”a traditional cloth with long hanging sleeves worn by unmarried woman”など日本独自のものを説明する英文をインプットしなければいけないのも大変でした。体感的には英→日の順番で単語を覚えるよりも、日→英のほうが3倍くらいきつかった気がします。

英単語暗記でやってはいけない勉強法

英単語をなかなか覚えられない人は、過去に私自身がハマっていた失敗と似たようなことをしています。次のようなやり方は英単語暗記では効果が出ない、やってはいけない勉強法です。くれぐれもマネをしないでくださいね。

1日10個など、コツコツ型で覚えようとすること

昔から単語暗記といえば毎日コツコツする方が良いという意見がありますが、それではペースが遅すぎます。一般的な単語帳には2000個以上の単語・熟語が収録されています。これを1日10個のペースでやっていたら2000個を完了するには200日かかるので、200日目には最初の頃に覚えた単語は確実に忘れています。

おすすめのペースは1日100~200個のペースで単語を覚えていくことです。ただし1回で完璧に意味やスペルを覚える必要はありません。何度も繰り返し同じ単語に触れることは重要なのです。最初はうろ覚えで問題ありません。反復によって、少しずつ記憶を強化していくイメージで臨むのが大切です。

単語を10回書いて覚えようとすること

完璧主義の1つですが、単語を覚えるときに書く練習は必要ありません。英単語はまず「英語を見て意味が分かる、読める」状態を目指したほうが全体的に効率的に暗記ができます。英語を実際に使うシーンでは読むことが圧倒的に多いです。スペルを完璧に覚えていなくても、意味と発音が分かれば読む、聞く、話すが可能になります。日本語を使うときでも同じですが、意外と書くシーンは少ないし、使う語彙も限定されています。たとえば「薔薇」という漢字はふつうに読めますが、書く場面はあまりないので漢字を完璧に覚えている人は少ないでしょう。自分が頻繁に書く単語については、書く練習も必要ですが、それ以外はまず読めるようになることを優先しましょう。
それから、単語を書いて覚える必要はありません。「書く」という行為は「書き出す」ことなのでアウトプット型の行動です。これはインプットした内容を正確に覚えているのかをチェックする目的では有効ですが、記憶するための行為としては時間がかかりすぎます。

先程も述べた通り、単語を記憶できるかどうかは「短期間でのくり返し」によります。手を動かして書いているぶん、勉強の負荷が上がって続けるのが大変になります。そうなると反復のサイクルが余計に回しにくくなるという負のスパイラルに陥ってしまいます。

さらに英語はスペルだけを完璧にしてもダメです。単語の発音、アクセント、品詞などをセットで覚えないと「使える語彙力」になりません。小学校時代の漢字の書き取りの記憶があるので、私たちはついつい英単語も書いて覚えなければいけないと思い込んでしまうのですが。スペルもあくまで単語の1要素にすぎません。

同じく完璧主義に陥って複数の意味を一度に覚えようとするのも、学習の負荷が上がってしまい続けるのが嫌になるので、避けたほうがいいです。最初は英語、日本語の意味を1対1で覚えるくらいの気持ちでいるほうが、結果として長く続けられて語彙力を増やすことにつながります。

ダラダラ読むだけで覚えようとすること

単語帳を眺めているだけでは英単語を覚えることはできません。聞き流すだけで英語が話せるようにならないのと同じように、前のめりの姿勢で、能動的に単語帳を読むマインドが大切です。

ページをダラダラめくるのはやめましょう。単語を読むときに半透明の赤色のシートや、本のしおりなどで日本語の意味をかくしておき、0.2秒以内で意味が脳内に思い浮かぶかをチェックするなど、覚えることに集中しやすい工夫をしましょう。

日本語の意味を見たら、次は例文を見る、そしてすぐ次の単語へ…1ページ分おわったら、もう一回そのページの最初に戻る、などテンポよく読むことで効率が上がります。

さらに単語は声に出して読み、CDの音声を聞いて単語と例文の発音もチェックすることで文字と音が頭の中でリンクして記憶が強化されます。単語帳を読むということは、意外と手や口、耳を活発に動かす行為なんですよ。

文字を読み、音を聞いて声に出すのが単語を覚えるときの基本動作です!

知っておこう、英単語暗記に役立つ記憶の仕組み

 

先ほどまで筆者である私の失敗談や、やってはいけない勉強法について説明してきました。その中で英単語暗記の秘訣は「短いスパンで繰り返し覚えること」ということを何度か言いましたが、どうしてそれが有効なのか納得しきれていない人もいらっしゃると思います。そこで具体的な英単語暗記の学習法を紹介する前に、脳の記憶の仕組みを簡単にお話して、反復学習がなぜ効果的なのかを解説したいと思います。

そもそも記憶とは?

脳科学の研究でわかっていることを非常にザックリ言うと、記憶の正体は「新しい神経回路の形成」となります。約1000億個ある神経細胞は、神経繊維というヒモによってお互いに複雑につながっています。新しいことを記憶すると、神経細胞どうしが神経線維によって結びつき神経回路になります。この回路が脳の中では網の目にように張り巡らされています。私たちがものを覚えたり、思い出したりするときは、この回路で電気信号をビリビリっと送って情報を取り出しています。(厳密にはもっと複雑な構造をしています…)

たとえば「compare A with B → AをBと比較する」という単語を覚えたら、その情報を保存する回路が新しく脳の中にできます。そして英語の文章で「compare」という単語を見つけると、この回路にビリビリと電気が走って「compare A with B → AをBと比較する」という情報が取り出されて、それをもとに文章の読解をしたり、単語クイズに正解したりすることができます。

神経細胞の回路によって、情報と情報のつながり、関連性を整理しておくことで、私たちは記憶としていろいろな情報を使うことが可能になっています。この回路はできるだけ多くの情報を結びつけることで、神経細胞のヒモが束になって太くなり、忘れにくくて「使える記憶」になります。だから英単語を暗記するときも発音や例文などをセットで覚えたほうが役立つ知識になるということですね。

短期記憶と長期記憶

皆さんも聞いたことがあると思いますが、人間の記憶は短期記憶と長期記憶の2つに大別されます。短期記憶は一時的な記憶です。脳の中に蓄えた知識を一時的に取り出して置いておくスペースとしての役割のほか、目や耳など外から受けとった情報が短期記憶として保存されます。短期記憶にある情報は、約30日たつと捨てられてしまう、忘れやすい記憶です。

これに対して、長い間覚えていられるのが「長期記憶」です。英単語を覚えて忘れないようにするのは、この長期記憶の中に効率的に英単語の情報をたくさん詰め込めるような学習法を取り入れるべきです。

このような脳の記憶をコントロールしているのが「海馬(かいば)」と呼ばれる部分です。

記憶の司令塔、海馬

人間の脳はとてもたくさんの機能を持ち、各々の部位で役割分担をしています。テストのために覚えた情報を記憶したり、忘れたりするのも脳の役割分担によって機能しています。脳の仕組みをイメージするときはこの「分業体制」に注目すると分かりやすいです。

人間の記憶が作られる場所は海馬です。そして記憶を保管する場所が大脳皮質と呼ばれる部分です。外から入ってきた大量の情報はまず海馬に集まり、どの情報が重要なのかを判断して記憶するべきもの、捨ててよいものを区別しています。このうち、必要だと判断された情報が大脳皮質へ移されて保管されるのです。

【海馬】
外からの情報を短期記憶として保存、
重要な情報だけを大脳皮質に移して長期記憶として保管する

【大脳皮質】
海馬が重要だと判断した情報を長期記憶として保管する

効率的に英単語を覚えたければ、どうすればスムーズに覚えたいことを長期記憶に上手く移すことができるかを知っておいたほうがよいですね。

では、海馬はどういう基準で大事な情報とそうでないものを判別するのでしょうか?

その基準は「生きるために必要かどうか」です。つまり「火事の煙を吸ってはいけない」や「岩が転がり落ちてきたらよける」のように生死に直接かかわるような知識だけを、海馬は重要だと判断して長期記憶として保存しているのです。

この基準によれば、私たちが必死で覚えたいと思っている英単語は別に命の危険にかかわる情報ではありません。だから海馬は「considerとかessentialとかavailableとか英語がいっぱい入ってきたけど、べつに忘れてもいいや!」と判断してしまいます。

なんとかして海馬を上手くだまして英単語を長期記憶として保管してもらわなくてはいけません。厳しい大自然の中で生き残るのに関係ない英単語の知識を長期記憶として大脳皮質に保管する方法。それは「何度もくり返し同じ情報をインプットすること」です。

つまり反復学習です。

しかも勉強した時から1ヶ月(30日以内)に何度かくり返すことが大切です。実は海馬が情報を短期記憶として保存する時間はおよそ30日間だということが分かっています。30日以内に同じ情報に接しないと、海馬は「これはもういらない情報だ」と判断して捨ててしまいます。この30日間で何度も同じ単語に接すれば、海馬は「また同じ情報が入ってきたな。そんなに何回も受け取るということは、こいつはきっと大事な情報なんだろう」と判断して、長期記憶として英単語の情報を保存してくれます。

こうした脳の記憶の仕組みを知っておけば、コツコツ覚えるよりも集中して一気に覚えるほうが効率的に暗記できるということが理解できるのではないでしょうか。

本当に効果的な英単語暗記法!!

ここでは私も実践している英単語暗記の方法について紹介します。タイトルの通り、30日で500個の英単語を覚えるための具体的なやり方です。勉強の基本的な方針は、長期記憶を作ることを意識して30日以内で同じ単語を繰り返し学習するということです。

皆さんも実践するときは次の7つのポイントを意識してください。

  1. 1日100~200個のペースで英単語を学習する
  2. 1つ1つの単語に時間をかけすぎない
  3. 単語を書いて覚えようとしない
  4. 1度にたくさんの意味を覚えようとしない
  5. 英語→日本語の順番で意味を覚える
  6. 0.2秒以内で意味が分かる状態を目指す
  7. 文字、発音、例文、品詞のセットで強い記憶を作る

1日100~200個のペースで英単語を学習する

1日10個のコツコツ戦法よりも、30日で500個、目安としては1日に150個。このペースで進めていきます。30日以内に最低でも6回は同じ単語に触れるようにします。最初の2,3回はほとんど覚えることができず、うろ覚えの状態になりますが、それでも大丈夫です。6回、7回とくりかえし見ているうちに、英語を見たらパッと日本語の意味が分かるようになります。進め方は次の表のイメージです。

表のように30日間を5つの区間に分けて、少しずつ単語を覚えていくようにします。最初の6日間では1~150個目の単語を何度も学習します。1日のうちに必ず150個すべてに目を通すようにします。決して、150個をさらに6で割ってコツコツと1日25個覚えるという意味ではないのでご注意ください。

1~150個目までの単語(6日間)
150~300個目までの単語(6日間)
300~450個目までの単語(6日間)
450~500個目までの単語(3日間)
1~500個目までの単語の復習(9日間)

このように1日で150個を目安にして各グループの単語を学習し、最後に1~500番目までのすべての単語を復習するというイメージです。各グループの単語に目を通すのを6日間で6回くり返します。

ただ単に文字を読むのではなく、単語や例文を音読し、CDの音声も聞くことを取り入れながら学習を進めます。同じ単語に30日間で20回くらい触れることになりますが、それぐらいやり込めば、確実に長期記憶として単語の情報が保存されます。

1つ1つの単語に時間をかけすぎない

単語を見て「うーん、この意味は何だったかな?」といちいち考えこむ必要はありません。1つ1つの単語に時間をかけすぎると1日に150個を見ることは不可能なので、テンポよくパッパッと読み進めていくことを意識しましょう。6周するプロセスの中で意味を覚えればいいので、最初はうろ覚えで大丈夫です。2,3周したら何となく見覚えがある状態になり、5周目あたりから、だんだんと意味が思い浮かぶようになります。

反復学習が大原則なので、単語1つ当たりにかける時間は10秒くらいを目安にしましょう。その10秒の中で、英単語の音読、日本語の意味の音読、例文の音読を行います。単語1つ当たり10秒とすると、150個で1500秒=25分で1周することになります。

1日に25分なら、忙しい人でもなんとか捻出できるのではないでしょうか?もちろん、このほかにもCDの音声を聞き込む事も記憶を強化するためには必要ですが、移動中などスキマ時間を活用すれば、リスニング学習も十分可能です。

単語を書いて覚えようとしない

1つ1つの単語に時間をかけすぎてはいけないので、当然ながら単語を書いて覚えようとしなくても大丈夫です。仕事などで実際に書く必要がある単語はスペルも正確に覚えたほうがいいですが、自分がこれから覚えるすべての単語のスペルを覚えようとすると一気に情報量が膨大になるので覚えきれなくなります。

気合を入れすぎると反復学習がやりにくくなり、かえって記憶の定着が悪くなるということをぜひご理解ください。

また、最近のパソコンやスマートフォンはスペルの間違いを自動的に修正してくれる機能がかなり進歩しているし、必要なときに辞書で確認をすれば十分ではないでしょうか?私は普段たくさんの漢字を読んでいますが、その全てを正確に書けなくても、別に支障はないはずです。英単語を覚えるだけ、気合を入れて全部書いて覚えようとする必要はまったくありません。

1度にたくさんの意味を覚えようとしない

英語のことになると、日本人はなぜか完璧主義を追求してしまう人が多いですよね。たくさんの意味をインプットしたいという熱意は素晴らしいですが、反復学習の効率を考えると、少しいい加減なくらいがちょうどいいです。

単語によっては複数の意味を持つものもありますが、まずは主要なものから覚えましょう。英語と日本語の意味を1対1で覚えればOKということにします。単語帳によっては類義語、対義語なども注釈で掲載されていますが、テンポよく進めるほうが大事なので、最初のうちはフワッと目を通すくらいにしておきましょう。

完璧主義は捨てて、まずは英語ー日本語の意味を1対1で覚えましょう。

TOEIC試験を目指している人の場合は、複数の意味を持つ頻出単語があるので、よく出るものから優先的に覚えていくといいでしょう。たとえばdeliver(配達する、(スピーチを)行う)やaddress(住所、演説)など頻出単語に絞り込んで複数の意味を覚えるなど、パワーの配分に意識して進めたほうがいいです。

何でもかんでも一度にたくさんの意味を覚えようとする学習法は、心理的な負担が大きくなって反復学習を続けるためのモチベーションが維持できないのでオススメできません。

完璧主義が災いして長期記憶を作るための効率的な反復ができないと、語彙力強化というゴールにたどりつけなくなります。記憶の仕組みにしたがえば、インプットする情報量を絞り込んで、反復しやすくするほうが効果的です。

英語→日本語の順番で意味を覚える

英単語を覚えるときは「英語」→「日本語」の方向に絞って暗記しましょう。ビジネスの現場や、TOEICなどの試験で使う英語は「読むこと、聞くこと」の割合が圧倒的に多いので、英語を見聞きして意味が分かる状態になればOKです。

私自身の失敗談でも紹介しましたが、日本語→英語の順番で意味を覚えることは英単語暗記ではやらなくてもいいです。日→英の順番で記憶するのは、英→日の順番で覚えるよりもずっと大変だからです。これも英語学習に対する脱・完璧主義の1つですね。

また英語を話したり、書いたりするときは日本語を介さないで、頭の中にあるメッセージをそのまま英語でアウトプットすることが大切です。「テーブルの上にりんごがある」と言いたいときに、脳内のりんごのイメージ→りんご(日本語)→apple(英語)という風に日本語をはさまずに直接、脳内のりんごのイメージ→apple(英語)というプロセスで英語が出てくるようにしなくてはいけません。日本語→英語の順番で記憶の中にある意味を取り出すというよりも、脳内のイメージから直接英語につなげたほうが、使いやすいです。

日本語を見聞きして英語に変換する行為は、大学受験の英訳問題や、同時通訳などあまり一般的でない状況で行われます。英訳もそれ自体が高度なスキルなので、必要に迫られれば日本語→英語の順番で覚える特訓をすればいいと思います。語彙力増強を目指す段階であれば、英語→日本語の順で取り組めば十分です。

0.2秒以内で意味が分かる状態を目指す

そのかわり、英単語を見て0.2秒以内に日本語の意味が思い浮かぶことを目指しましょう。英単語を見て「え~と、これはたしか日本語で〇〇だ」となっているようでは、覚えたことにはなりません。

たとえば、”employee”という単語をみたら0.2秒で「従業員」という日本語や、働く人の顔がイメージできる。この状態になってはじめて「暗記」したことになります。0.2秒以内で意味が分かるようになるまで、反復学習あるのみです。最初はうろ覚えですが、回数を重ねることで思い出すまでの時間が短縮されます。

TOEIC試験を考えている人は特にこのポイントを意識したほうがいいです。TOEICは時間がとにかく足りない試験なので、いちいち単語の意味を思い出すことに時間を取られてしまうと問題を先へ先へとこなしていくことができず、スコアアップにつながりません。

文字、発音、例文のセットで強い記憶を作る

やってはいけない勉強法でも説明しましたが、ダラダラと単語帳を眺めているだけでは永久に語彙力を増やすことはできません。単語の勉強をするときは、かならず英語、日本語の意味、例文を声に出して音読します。さらに品詞(名詞、動詞、形容詞、副詞、前置詞、接続詞など)も覚えて、CDなどに収録されている音声を使い、リスニング学習もやり込みます。

人間の記憶とは、神経細胞のヒモでできています。単語を覚えるときは文字、音、品詞、例文などをセットにすることで、神経細胞のヒモが何本も束になったネットワークを頭の中につくることができます。文字だけで覚えるよりも、忘れにくく思い出しやすい記憶を作ることができます。

そういう意味では語呂合わせで自分独自の単語の「イメージ」を作ることや、単語の横にイラストを描いたりすることは、意味を連想しやすくする効果があります。私自身は語呂合わせをあまり使わないのですが、皆さんが単語帳の反復学習しているときにどうしても覚えられない単語が出てきた場合に、絵をかいたり語呂合わせを作ったりすることは試してみる価値があるでしょう。

以上、英単語暗記を効率的に行うための7つのポイントでした。

またTOEIC対策のための英単語学習におすすめの教材も別記事で紹介しています。
是非そちらもあわせてお読みください。
TOEICにおすすめの英単語学習教材の紹介

覚えた単語を忘れても気にしない、また覚えればいいだけ

人間は忘れることが得意な生き物です。せっかく覚えた単語が思い出せなくなっても、あまり気にすることはありません。誰だって経験していることなので、自分だけが特別忘れっぽいのではないかと気に病むのは間違いです。忘れたらまた覚えればいい、それだけの話です。

今回は勉強法を紹介するにあたり、脳の仕組みについても言及しました。ちなみにですが、記憶に関する私の知識の元ネタになっているのは脳科学者の池谷裕二さんの著書です。ご興味のある方はご一読ください。

さて語彙力は文章読解、リスニング、英会話に直結する重要な基礎スキルです。単語さえ分かれば、何となく文章の意味が分かることはありますが、単語がさっぱりわからなければ、文法構造の分析やリスニングができても意味を理解することはできません。英単語暗記は英語を学ぶすべての人が通過しなければならない儀式ですが、この記事で説明したとおり、反復学習をきちんと実践すれば誰でもできます。

これから英単語暗記に取り組む人は、変に気合を入れすぎず、完璧主義にとらわれないように気をつけてください。大原則は反復学習なので、覚える情報量を絞りこんで、無理なく続ける方法を取り入れましょう。ここで紹介した内容が、皆さんの参考になればうれしいです。