プロゴルファーの石川遼も使っていることで話題のスピードラーニング。
辞書もテキストも不要、1日5分から音楽のように聞き流すだけで英語が身につくという教材ですが、TOEIC935点の私が30日間、実際に「聞き流し」学習をやってみたところ「1日5分の聞き流し」では英語は話せるようにならないと判断しました。
実際に4年間聞き流しを続けた私の知人も「英語が自然と口から出てくる状態」にならなかった事実を見ても、「聞き流し」だけでは十分ではないことを示しています。
個人的には日本の文化・宗教、アメリカの生活スタイルや価値観を学べるCDの内容は興味深くて面白いので好きなので、スピードラーニングはまったくムダな商品だとは思いません。
しかし、教材の価値を100%引き出すためには勉強法にかなりの工夫が必要です。
英語の習得にはインプットとアウトプットのバランスが大事で、第二言語習得理論ではインプット:アウトプット=70:30が理想的と言われています。
聞き流しは耳からのインプットだけなので語学習得法としてバランスが悪いです。
さらに、注意を払って聞いてない情報、意味が分からない情報はいくら耳にしたところで記憶に定着しません。
お経を聞くのと同じようなものです。
そこで、スピードラーニングの効果的な学習法を実際に私が考案しました!
この方法にしたがって学べば、スピードラーニングの教材で「英語が口から自然に出ている」までレベルアップすることが可能です!
それでは詳しく見ていきましょう。
Contents
スピードラーニングの効果的な学習法の全体像
スピードラーニングを活用した効果的な勉強法は、次のようなプロセスで進めていきます。
- ディクテーション(CDを聞いて英語を書取り)
- 英日対訳つきテキストで本文チェック
- 聞き取れなかった部分を再度リスニング
- テキストを見ながら音読練習
- CDを聞きながらシャドーイング
5つの学習プロセスの後は、実際に英語を使ってみる機会も作ると理想的です。
ところでお気づきでしょうか?
そうです、もはや「聞き流し学習」は一切の原形を留めていません!
ディクテーション、音読、シャドーイングなど王道と言われる英語学習法と反復学習を取り入れた「本気の人向けの勉強法」になってしまいました。
このやり方で進めるというルールを自分に課し、自主的に進めていけば必ずスピードラーニングの教材で英語が話せるようになります。
[st-kaiwa1 img=”https://smarteigo.jp/wp-content/uploads/2018/09/s_face.jpg” name=”Toshi” from=”right”]手抜きをせずに愚直にルールを守る強い意思が必要ですが…[/st-kaiwa1]また、文法や英単語の知識が全然ないレベル、中学レベルの英語も覚えていない状態の人にとってはかなり辛い勉強法です。その場合、中学の文法から素直にやり直すほうが効率的です。
スピードラーニングで効果が出る勉強の進め方
ここからは、スピードラーニングの効果的な勉強法の詳しい進め方を解説していきます。
[st-kaiwa1 img=”https://smarteigo.jp/wp-content/uploads/2018/09/s_face.jpg” name=”Toshi” from=”right”]今回は第9巻「日本発見」の教材を使用しました。日本の観光名所や文化が紹介されています。[/st-kaiwa1]ちなみに教材は1巻ごとにプラスチックのケースに納められ、以下の物が収められています。
- CD(英語→日本語の順で音声が収録)
- CD(英語のみの音声が収録)
- 英語、日本語の対訳付きテキスト
- 海外関連の情報紙
今回の勉強法では、CD2枚と対訳付きテキストを使用していきます。
CDを聞きながらディクテーション
まずはディクテーションです。CDを再生しながら英文を書き出す作業を集中して行います。
使うCDは「英語→日本語」「英語のみ」のどちらでも構いません。
とにかくCDを何度も再生して納得いくまで英文を紙に書き出す作業に取り組みましょう。
こんな感じで耳で英語の音をとらえて、聞こえてきた通りに文字を書き出します。何度もまき戻し、ひたすら書き続けます!
どうしてもリスニングできなかった箇所は、余白をつけて後で見直せるようにしておくのがポイントです。
英日対訳つきテキストで本文チェック
ディクテーションを気の済むまでやったら、次は答え合わせです。
英日対訳つきテキストの英文を読み進めていき、正しく書きとれているかをチェックしていきます。
間違ったところは、自分で赤ペン先生をします。
とにかく地道で大変ですが、こうすることで自分のリスニングの弱点が浮かび上がってきます。
あと、知らない単語があったら辞書でチェックしておきましょうね。
知らない単語を耳で何度も聞いたところで脳は雑音としか認識しません。リスニングがちゃんとできるようになるためにも、単語の意味と発音は丁寧に確認しましょう。
今回、私はsulfur(硫黄)という単語が分からなかったので辞書で調べました。
スピードラーニングを本気で活用すると、辞書が手放せなくなります。
[st-kaiwa1]今回、sulfur(硫黄)とかrite(儀式)みたいな単語がふつうに出てきましたけど、もともと英単語を知らない人だと音だけを何回聞いても理解できないだろうと思いました…やはり文字もチェックするのは必須ですね。[/st-kaiwa1]聞き取れなかった部分を反復リスニング
次に聞き取れなかった部分をCDを再生して重点的に聞きます。
使うCDは「英語→日本語」「英語のみ」のどちらでも構いません。
思ったのですが、CDだと聞きたいところを探すのが超めんどくさいです。巻き戻し・早送りの微妙な操作を何回もしていると疲れます。
スピードラーニングにはデジタル版があり、スマホの専用アプリで1つ1つのフレーズごとに再生ができるので、反復リスニングをする際はCDプレーヤーよりもデジタル版を使うべきですね。
私はPCに音声を取り込んで、マウスでカチカチ操作していました…
テキストを見ながら音読練習
リスニング重視の勉強が終わったら、次は音読練習で英文を口に出すアウトプット型の学習です。
英語・日本語の対訳付きテキストを開いて、英語を声に出して読んでいきます。スムーズに読めるようになるまで最低2~3回は反復します。10回音読すれば、リスニング・スピーキング両方にかなりの効果が出ます。
CD音声を聞きながらシャドーイング
音読を一通りやって手応えがあったら、次はCDの音声を聞きながらシャドーイングをやります。イヤホンをつけて、再生される音声の後に少し遅れて自分でも英語を声に出して発話します。
カンニング用にテキストを手元で広げてチラ見してもOKです。
以上で、5つの学習プロセスが完了しました。
- ディクテーション(CDを聞いて英語を書取り)
- 英日対訳つきテキストで本文チェック
- 聞き取れなかった部分を再度リスニング
- テキストを見ながら音読練習
- CDを聞きながらシャドーイング
スピードラーニング教材の良い点、悪い点
上記の通り、スピードラーニングの教材でガッツリ勉強してみたことで、改めてスピードラーニングの良い点、悪い点が分かりました。
スピードラーニングの個人的に好きな点も見つかったし、「こりゃアカンわ」という点にも気づきました。
個人的にスピードラーニングの好きなところ
スピードラーニングの教材の内容は異文化や外国の暮らしについての好奇心を刺激してくれるので楽しいです。アメリカなど英語圏の国のことだけでなく、日本の観光名所や伝統文化にまつわる英単語や表現を学べるのも面白いです。
さらに国際恋愛中のカップルの繰り広げる会話も、野次馬根性をさそいます。
例えば、教材には「能や歌舞伎について語り合う場面」「ディケンズがセントルイスで泊まった宿の話」などが盛り込まれ、英語を身につけた先でこんなことが話せるようになるんだ!というイメージが湧いてきます。楽しげなイメージを思い浮かべることで、モチベーションが刺激されます。
スピードラーニング教材は、英語の世界への扉を開いてくれるきっかけとして、とても役に立つものです。
スピードラーニングの「こりゃアカンわ」と思うところ
楽しい話題が満載のスピードラーニングですが「1日5分の聞き流し」では全く効果が出ません。
教材は全48巻あるのですが、1ヶ月1巻のペースだと全部聞き終わるのに4年の歳月がかかります。こんなペースでは英語力が客観的に伸びたという実感を得るのに時間がかかりすぎて、途中で挫折すること間違いなしです。
しっかり効果を得るには、私がやったような学習プロセスで音読やディクテーションを取り入れるべきです。
でもスピードラーニング教材は文字のテキストがあまりに簡素なので、しっかり内容を理解するのが大変です。具体的には、自分で文法書や単語帳、辞書などをチェックする手間が発生します。
つまり、ある程度自主的に英語学習を進めるノウハウが身についていないとスピードラーニングの教材を100%使いこなすことは難しいのです。
これは初心者にはとてもハードルが高いです。
そのハードルを極限まで下げると「聞き流しでOKだよ!」ということになるのですが、先ほども言ったようにそれでは効果がいつまでたっても見込めません。
このように「帯に短し、たすきに長し」みたいな作りになっているのがスピードラーニングのダメなところです。
スピードラーニングで学んだ英語を使えるようする方法
スピードラーニングに出てくる英会話フレーズを覚えたら、実際に使ってみましょう。
それこそが、自然に口から英語が出てくるレベルになるために必要なトレーニングです。
英語はインプットとアウトプットのバランスが大事です。
教材でインプットしたら、実際に口に出して使ってみる経験をしないと「使える英語」にはなりません!
そのためには、次のような方法があります。
ネイティブとの無料電話レッスンを活用する
意外に知られていませんが、スピードラーニング受講者は月に2回までネイティブスピーカーと電話で英会話レッスンができます。
1回5分と短いですが、フリートークなどで実際に英語を使ってみることで学習効果を実感できるようになっています。
電話レッスン以外にも、スピードラーニングでは受講者向けの懇親会など、外国人と英語を実際に話してみる機会がたくさん提供されているので、積極的に足を運んでみると良い刺激になりますよ。
(こういうサービスも含まれるので料金が高くなってしまうわけですが…)
たくさん話したい人はオンライン英会話を活用しよう!
電話レッスンだと物足りない人は、自宅で気軽に受講できるオンライン英会話を使うと良いでしょう。
ほとんどのオンライン英会話では、正式登録する前に無料体験レッスンが可能です。
何社か受けて、自分に一番合ったところを選びましょう。
以上のように、実際に覚えた英語を使ってみることで英会話は上達します。
「聞き流し」に留まらない、スピードラーニングの真価を引き出すための学習法を実践することで「英語が口から自然に出る状態」までレベルアップできます。
まぁ、効果が出る方法を取り入れようとすればするほど、聞き流しの楽な学習法からかけ離れていくのですが…
それに、本気の勉強をしようと思うと、スピードラーニングは色々と不便な点、「こりゃアカン」と思う所が結構あります。
1日5分の聞き流しと言いつつ、教材のつくりが初心者向けではないんですよね。
完全に勉強好きな玄人志向の教材です。
英語に不慣れ、苦手意識が強いうちは「聞き流し」でも良いですが、効果を実感したければここで紹介したような方法を取り入れて勉強を進めていきましょう。
【おまけ】他と英語教材も検討してから購入を決めよう!
現在はスピードラーニングよりも安い値段で、しっかり英会話が身につく教材も登場しています。
【プライムイングリッシュ】は英語の音声変化のルールを体系的に学び、ネイティブの話す英語が聞き取れるようになる教材です。
値段は税抜29800円。
プライムイングリッシュの開発者は、「世界一受けたい授業」にも出演したSummer Rane(サマー・レイン)先生。彼女が日本語を習得した時の学習法をもとに、日本人が英語の音声変化に対応できるリスニング力を習得できるように開発されたのがプライムイングリッシュです。
例えば、”What do you want to do?”
ネイティブはこれを「ワドゥヤワナドゥ?」のように発音します。教科書で教わるような「ワットドゥユーワントトゥードゥ」とはかけ離れています。
音声変化するとまるで知らない言葉のようになり、聞き取りができなくなるのです。
しかし、最初聞き取れなかった人でも、「ワドゥヤワナドゥ?」のように発音されることを意識して(知って)聞くと、聞き取れるようになります。
*公式サイトより引用
音声変化のルールを知ることで「レリゴー」や「チェケラゥ」などのネイティブの発音を聞いたときにも、頭の中で英単語とリンクさせて意味をつかめるようになります。
多くの英語教材は「ネイティブならこんな表現で話すよ」という事を教えてくれますが、体系的なリスニングのコツ教えてくれるものは意外と少ないものです。
「英語をきちんと聞き取り、ネイティブのように発音できるようになりたい」方には、プライムイングリッシュはおすすめですよ。