英語はまず親しむことから!文法の細かいことなんて気にしないでとにかく使ってみよう!
文法と言うと、学校の授業での苦い記憶を思い出してしまい拒絶反応を示す人が多いのも事実です。
そんな人たちの心につけこみ、「英文法をやるから日本人は英語ができない」「文法を意識しなくてもたくさん話せば英語が身につく」などの甘い言葉で宣伝してくる教材や参考書が日本中で広まっています。
しかし、英語の勉強をやり直す大人には文法は絶対に必要です。
勉強を始めたばかりの頃は、文法の大事さが実感できないかもしれませんが、本質的な英語力を伸ばすためには文法はかならず習得しなければいけません。
本記事では、社会人が英文法を学び直すために知ってほしい真実について解説します。
日本人が英語を話せないのは「文法ばかりやるから」ではない
「中学高校であんなに受験勉強をしても日本人は英語が話せるようにならない、日本の英語教育は無意味だ。」
こんな疑念を抱く人は少なくありません。
「赤ん坊の頃に日本語を覚えるのに文法なんか勉強しなかった。英語ネイティブも文法は勉強しないで英語を習得している。やっぱり英会話をマスターするために文法は要らないんだ!」みたいに言う人もいますよね。
このような意見は10%だけ正しくて、90%は間違っています。
学校教育だけで英語を話せるようにならないのは、文法や単語などの勉強時間に比べて、実際に英語を話す時間が圧倒的に少ないからです。
単純に練習が足りないだけです。
この時間配分のアンバランスは確かに問題ですが、外国語習得に文法は不可欠ですから日本の英語教育そのものに価値が無いわけではありません。
また、もしあなたが4歳児の子供ならば、文法を意識的に勉強しなくても言語を習得できます。
赤ん坊や幼児の脳は、自らの命を守るために身の回りの膨大な情報を吸収し、歩き方や自分の意思を伝える言語を驚異的なスピードで習得できるからです。
これは生命の維持に必要なことをだいたい習得するまでの特別な期間に限ったことなので、大人の脳にはもうそのような記憶力は備わっていません。
したがって、日本で生まれて日本語だけが話される環境で育った人の脳は外国語の音だけをいくら耳から入れたところで雑音としか認識できないのです。
脳科学者の池谷裕二さんの著書によると、脳は中学生くらいまでは知識を詰め込む丸暗記のようなタイプの記憶を得意とします。
これを知識記憶(意味記憶)と呼びます。
しかし高校生くらいになると丸暗記は苦手になってエピソード記憶(経験記憶)と呼ばれるタイプの記憶が得意になってきます。
これは「物事の仕組みを論理的に理解して、ほかのものと関連づけながら覚える」ということです。
つまり大人になると脳が得意とする記憶のタイプが昔と変わっているわけですから、英語の勉強も単語やフレーズの丸暗記ではなくて英語を構造的に理解することを目指さないと実地で使えるスキルになりません。
そして文法こそが、英語を構造的に理解するときの最大の武器です。
英文法をやらないことのデメリットを知ってください
受験サプリ「スタディサプリ」の人気英語講師の関正生さんも、文法の大切さについて次のように語っています。
「子供になくて、われわれにある”大人の武器”は論理力。それを最大限に活かして勉強できるのが、文法という英語のルールです。」
論理が得意な大人の脳には、体系的なルールを覚え込ませるほうが効率的だというわけですね。
このように、われわれ大人が英文法の学習を避けることのメリットは1つもありません。
皆無です。
私はこれまでに何回か、日本人が集まって英語で話す会に参加したことがあります。
英語をしっかり勉強するというより、皆で楽しく英語に親しむ趣旨の集まりです。
ネイティブスピーカーも何人かいて、彼らもグループに混じって英語でおしゃべりをします。
その場にいた日本人の方々の発する英語を聞いて、私は強く思いました。
「ああ、この人たちはこのままでは一生英語は上達しないだろうな」と。
なぜなら現在形・過去形の使い分けもおぼつかない、単語を並べるだけの発言をする人が大半で、自分が伝えたい文章を英語で組み立てることができていなかったからです。
それに他の日本人参加者の発言の意味もほとんど理解できない、という状況でした。
英文法は「マジックテープ」のようなものです。
自分が英語を読んだり聞いたりするときにマジックテープの引っかかりがあるおかげで、頭に入ってきた英語をキャッチして、その中にあるメッセージの中身を理解できるのです。
マジックテープが無いツルツルの状態では、せっかく入ってきた英語をキャッチできず、流しそうめんのように流れ去っていくだけです。
*ちなみにマジックテープは英語で"Velcro"です。
同時に、英文法は文章を作るときの「枠組み」としても機能しています。
英語を話したり、書いたりするときにお決まりの枠組みを知っていれば、単語をはめこむだけで文章ができます。
同じ枠組みを話し相手も共有していれば、言葉の意味をスムーズに理解できます。
文法と英会話は対立関係で語られることが多いですが、実際は話すときも文法を使ってコミュニケーションが成立しています。
このように文法はインプット・アウトプットの両面で重要な土台となるものです。それほど重要な文法を無視することは、英語の上達を遅らせるデメリットしかもたらしません。
さきほどの英会話イベントでは、ネイティブスピーカーが正しい英語を教えてくれることもありました。
でも文法を理解できない日本人参加者がそれを聞いたところで、英文を丸暗記する事しかできません。
丸暗記では単語を入れかえて使うことができないので応用が利きません。
しかも大人の脳は丸暗記は苦手なので、すぐに忘れてしまいます。
英会話を楽しむ時間はもちろん重要ですが、地道で遠回りにみえる文法習得をきちんと実践したほうが長い目で見た時に学習効率が良いことをぜひ知ってください。
文法を1からやり直すときなら中学英語から始めよう!
文法を1からやり直すなら、中学の3年間で習う英語の文法から復習するのが正解です。英会話でもよく使うのは中学レベルの文法です。
TOEICなどの試験では高校英語の仮定法や過去完了形なども登場しますが、いきなりハイレベルなところまでやろうとせずに全体像をザックリつかむ所から始めていきましょう。
教材も中学3年分の文法がコンパクトにまとめてある物を選びましょう。
実際に書店に行って本のページを開きながら自分の好みやレベルに合ったものを1冊だけ買いましょう。
注意すべき点は、今の自分でも半分以上は理解できそうなレベルの内容の1冊を選ぶことです。中身がほとんどわからないまま勉強を続けても達成感が感じられず、続ける気持ちが起きにくいからです。
とにかく1冊を最後までやり切ること、3回はくり返し同じ教材で勉強してください。
1冊を完璧にマスターしたら、もう少しレベルの高い参考書や高校英語の解説も入ったものにチャレンジしましょう。
TOEICの受験も考えている方はリーディング問題で仮定法など高校レベルの文法の知識も問われるので高校レベルの文法も理解しておく必要があります。
【大人向け英文法復習用のおすすめ教材】
とは言え、文法の学習だけをやるのはどうしても退屈で途中で挫折しそうですよね。
初心者が英語学習を始める場合、1つの数値目標としてTOEICを使うのは全然ありです。
具体的にはTOEIC600点を目指すことで、文法の理解度も深めながらリスニング・リーディングでちゃんと使えるレベルに持っていく勉強ができるようになります。
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「TOEIC600点突破をおすすめする理由」
・社会人のTOEIC公開テストの平均点が約600点
・文法など英語の基礎ができていると評価される
・英会話などの発展的な学習の土台になる
・客観的な数値で英語力をアピールできる
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つまりTOEIC600点を目指して勉強することで文法や語彙、リーディング、リスニングなどの英語の基礎を習得して、英会話や英文メール、英語プレゼンなど実践的な英語を身につけていく一生モノの土台を身につけることができます。
本サイトではTOEIC600点達成の勉強法なども紹介しています。
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600点を目指す人には、アルクの通信講座もおすすめです。
400~500点レベルの人に合わせて教材が作られているので、ちょうど良い難易度でプラス100点⇒600点達成が実現できます。
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