リスニングの弱点が分かるディクテーションの学習効果と正しい方法

「毎日英語を聞いているのに聞き取れるようにならない…」

「どうやってリスニング力を伸ばせばいいかわからない…」

英語を勉強してるのに、リスニングがなかなか伸びずに悩んでいませんか?

英語には日本語にない母音・子音の発音や、リエゾンという音がつながることで起こる変化があるので、ただボーッと英語を聞き流しているだけでは、聞いて意味が理解できるようにはなりません。

英語のリスニング力を伸ばし、TOEIC対策として効果的なのがディクテーションです。

ディクテーションをすることで、「音を正確に聞き取るぞ」という意識が生まれて、集中力の高い状態で学習できるようになります。

そしてリスニングの弱点を洗い出すことで、苦手な部分を何度も音読する等、強化したいところを重点的に勉強できます。

「聞き流すだけで英語をマスター!」と言っている英語教材がたくさんありますが、英語は聞き流すだけでは絶対に伸びません!リスニング力を伸ばしたい人は、ぜひディクテーションを取り入れてみてください。

それではディクテーションの学習効果と正しいやり方、注意点について詳しく見ていきましょう。

なぜディクテーションが良いのか?

リスニング学習とは、聞こえてきた英語を文字として認識し、意味を理解できるようにすることです。頭の中に音と意味がリンクした情報のストックを増やしていけば、より多くの音が聞き取れるようになっていきます。

ディクテーションとは、「英語の音声を聞いて、単語を一語一句書き出す」という超シンプルな勉強方法です。

何となく英語を聞き流す状態を回避できる

紙に書き出すというアクションが加わることで、英語を聞くときの集中力を高めることができます。

英語を5分、10分と何となく聞いているときに途中から他の事を考えていたり、ただの雑音にしか聞こえなくて眠たくなった…なんて事は皆さんにもないでしょうか?

同じ英語の音声を何回も聞いているうちに、何となく理解したつもりになってしまいます。

ところが、いざ英文のスクリプトを読んでみるとイメージしていたのと全然ちがっていたりするものです。現在形だと思っていたら過去形だった、atやhisなどの短い単語があったことにまったく気づかなかった、などなど…

何となく聞き流すだけでは、リスニング力を強化することはできません。

こうなるのを避けるために集中力を高めて聞くことが大切です。そのために有効なのが、ディクテーションなのです。

ディクテーションのメリットと学習効果

ディクテーションを行うことで、どんなメリットや学習効果があるのでしょうか?

ディクテーションのメリット1:実力の診断

ディクテーションのメリットには、集中力を高めるほかに自分のリスニングの実力や苦手なところ、弱点が把握できることが挙げられます。

文章で読めばすぐに意味がわかるのに、音だけ聞いたら何を言っているのかわからない…

何回聞いても分からないのに、文章を見たらすごい簡単なフレーズだった

こんな経験が誰にでもあるのではないでしょうか?これは日本語にない発音や、音の変化のルールに慣れていないからです。ディクテーションをやることで、自分が英語の音にどの程度なじんているのか、英語耳の実力が明らかになります。

ディクテーションのメリット2:弱点の把握

ディクテーションをやってみると、リスニングできてない部分だけ虫食い状態で穴が開いたような結果になるでしょう。

この「穴」こそが、これから改善すべきリスニング弱点です。穴=弱点を1つずつ埋めていくことで、あなたの英語耳は少しずつ精度が上っていきます。弱点が分かれば、そこを重点的に聞きとれるように練習すればいいので、メリハリのある勉強ができるので、リスニング学習の効率も上がります。

このように、現時点のリスニングの実力を把握し、弱点を分析できるのがディクテーションのメリットです。

また、集中力を高める訓練にもなるので、ディクテーションを継続することで、TOEICのように大量の英語を聞き取りしなければいけない時にも耐えられる集中力をきたえることができます。

ディクテーションのメリット3:カタカナ英語からの卒業

日本人がよくハマるのが、カタカナ英語で発音を覚えてしまうことです。そして、日本語のアクセントそのままで喋ってしまうことです。発音を勘違いして覚えている単語というのはよくあるものです。

典型的な例が”girl”です。外国人と話すときに「ガール」と発音したところで誰も理解してくれません。”gir”の部分は「ガ」より曖昧で、うがいをする時のようにのどを鳴らして発声するし、”l”も日本語の「ル」のように口をすぼめたりしません。

ディクテーションで集中的なリスニングをすることで、間違って覚えていた発音、アクセントを修正して日本語訛りのカタカナ英語から卒業できます。

ディクテーションの正しいやり方

ディクテーションを行うときは、次のステップで進めていきましょう。

  • 音声を何回か聞いて、紙に書き取る
  • スクリプトを読んで、聞き取りできなかった部分を洗い出す
  • 聞き取ることができなかった原因を分析する
  • 聞き取れなかった部分を意識しながら音読して、発音や音の変化を覚える
  • 数日後に同じ音声で復習、聞き取りできるかをチェックする

「音声を何回か聞いて、紙に書き取る」

音声をくり返し聞いて、MP3プレーヤーなどの一時停止機能を使いながら、紙に英語の文を書き出していきます。

聞き取るときには、4~5個の単語がまとまったフレーズを意識しましょう。1文単位では音を記憶しきれないので効率的ではありません。また、単語の1語1語で区切るのも良くないです。英単語が実際に話されるとき、音がつながったり消えたりすることがよくあるので、本当に音が出てない部分もあるからです。

そのような音の変化のパターンも理解して、頭の中で補正しながらディクテーションができると理想的です。

なお、答えの英文スクリプトを見てはいけません。

正確に書き出すことが目的ではないので、5回~10回聞いても分からない部分があったとしても、気にせず次のステップに進みましょう。10回聞いても分からない音は、100回聞いても分かりません。

「スクリプトを読んで、聞き取りできなかった部分を洗い出す」

スクリプトを確認して、合っているところ、間違ったところを洗い出します。今の自分の弱点を洗い出すための作業です。ぽっかりと虫食い穴のようになった部分に、弱点が潜んでおり、同時にそれが改善ポイントになります。

「聞き取ることができなかった原因を分析する」

次に、聞き取りができなかった原因を分析してください。

    • 単語は知っていたけど速すぎて聞こえなかった
    • 自分が思っている発音と、本当の発音が違った
    • 音の連結など音声変化が理解できなかった
    • そもそもスクリプトが難しすぎて、知らない単語だらけだった

などなど、必ず原因があるのでしっかり把握しておきましょう。

特に英語には独特の音の変化のルールがあり、日本人学習者がはまりやすいポイントです。

たとえば「~を使い果たす」という意味の” run out of” という表現があります。

We will run out of water. (私たちは水を使い果たすだろう。)

“run out of”は「ランアウトオブ」のように発音することはなく、単語が連結して「ランナウロブ」のように発音します。この場合、out のtの部分の音がはっきり聞こえることはありません。

語彙力の不足、発音のかん違い、音の変化のパターンが分からない等、弱点の原因に気づくことができれば、リスニング力を高める重要なヒントを得たことになります。

ちなみに知らない単語だらけの英文で、難しすぎた場合は自分のレベルに合っていないことになるのでもう少し易しいレベルの教材に切り替えましょう。

「聞き取れなかった部分を意識して音読、発音や音の変化を覚える」

ディクテーションは答え合わせをしてお終いではありません。

分析のあとは復習です。音声を聞いて、何度も声に出して音読しましょう。声に出す(アウトプットする)ことで英語の音を自分の耳になじませることができ、頭の中に「音を聞いて意味を理解する回路」を増やすことができます。

音読のほかにも、シャドーイングやオーバーラッピングなどの「やり込み」がありますが、時間がない場合は音読をくりかえすだけで大丈夫です。

人間は、音の知らない単語を聞き取ることはできません。音と意味がリンクしなければ、ただの雑音です。だから「聞く」よりも「読む」ことに多くの時間を割いたほうがリスニングを効果的に伸ばすことができます。

「数日後に同じ音声で復習、聞き取りできるかをチェックする」

数字後にまた同じ音を使って、ディクテーションのレベルが上がっているかどうかチェックしてください。弱点がきちんと克服できているかを確認するためにも、復習は大切です。

以前よりも、英語の音を単語・フレーズとして認識し、意味がはっきりわかると実感できればリスニングが伸びていると判断できます。

ディクテーションをやるときの注意点

弱点の洗い出しや集中力を高めることがディクテーションのメリットですが、ただ音を聞いて英語を書き出すだけでリスニングが伸びるわけではありません。

ディクテーションはリスニングの特効薬ではありません。音読や発音練習など他の学習法で改善することでリスニング力は向上するので、ディクテーションそのものにこだわり過ぎないほうが良いです。

ここからはディクテーションをやるときに注意すべきポイントを紹介します。

「長すぎる教材を使わず、短時間で集中してやる」

ディクテーションは多大な集中力を必要とする勉強法なので、やる時はディクテーションに専念して、せいぜい30分以内に抑えたほうが続けやすいです。

素材となる教材も、1分程度の長さのものを使いましょう。1分の素材であっても、4回、5回とくりかえし再生しながら書き取りを行い、その後で復習もすれば30分くらいすぐに過ぎてしまいます。

ディクテーションはあくまで現状のレベルや弱点を知ることが目的なので、短い英文を使い、無理しすぎないことが大切です。

「自分のレベルに合った教材を選ぶ」

難しすぎる教材を選ぶのはやめましょう。

いきなり洋画や海外ニュースなどを教材に選んでもまったく聞き取ることができず、ディクテーションをやる目的を果たすことができません。何より、ぜんぜん歯が立たないとやる気をなくします。

また、ほとんど自分が知らない単語ばかりが並んでいると、リスニングの前に単語を覚える作業で勉強時間の大半を奪われてしまいます。これではディクテーションの目的が果たせませんね。

自分が「ちょうど良い」か「少し遅い」と感じるくらいのスピードで、出てくる単語もほぼ全部覚えており、「読んで意味が分かる」文章が掲載されているものを選びましょう。

「完璧主義はダメ、ほどほどの頑張りで止める」

英語を完璧に書き取ろうとして、何度もしつこいくらい同じ音声ばかりを聞くのはやめましょう。さきほども言いましたが、10回聞いても理解できないものは100回聞いても理解できません。

リスニング向上のためにディクテーションをするうちに、いつの間にか英語を完璧に書き取ることを目指して、違う方向へ突っ走ることがあるので気をつけましょう。

そもそもリスニングができない原因は教材が難しすぎる、英語独特の音の変化に慣れていないなど色々なので、集中して聞いているうちに、いつか理解できるというものではありません。

むしろ、これから改善すべきところが分かればそれでOK!くらいに捉えておきましょう。

書くことは手段であり、ゴールはリスニング力向上であることを意識してディクテーションに取り組んでください。