徹底分析! ITエンジニアの年収とTOEICスコアの関係は?

社会人がTOEIC対策に時間とお金をかける理由は何でしょうか?

ほとんどの場合は仕事で役に立てるためでしょう。具体的には収入アップです。

 

つまり自分の評価・収入をアップさせるために英語を勉強する。逆に、英語力やTOEICスコアが仕事の評価と関係なければ、勉強しない。

 

多くの日本人にとって、英語学習に対する考え方はこのようなものではないでしょうか?

これはITエンジニアにとっても同じことだと思います。

技術情報や仕様書を読みこなすために英語をある程度理解している必要性を感じているITエンジニアはたくさんいます。最近では動画のマニュアルや海外と仕事を進める機会なども増えてきています。

特に要件定義や提案などシステム開発の上流工程に関わる場合は、仕様の説明をするために英会話ができたほうがいいです。

そうは言っても…

私個人の経験から推測すると、英語ができるからといって、年収が急に上がることはないでしょう。

 

  • ITエンジニアの年収とTOEICにはどういう関係があるのか?
  • ITエンジニアの仕事で必要な英語ってどんなもの?
  • 実のところ、TOEICだけではエンジニアの仕事には不十分じゃないか?

 

これらの点について、英語力を示す目安として普及しているTOEICスコアとの関係を中心に、いくつかの転職サイトのデータを参考にしながら考察していきます。

データが示す、TOEICスコアと年収の相関関係

転職エージェントサービスの1つである「DODA」の公表しているデータによると、TOEIC700点以上ではスコアと年収にはっきりと相関関係があります。

(参考URL https://doda.jp/global/guide/004.html)

ただし、このグラフはホワイトカラー系の様々な職種の約10万人のデータを元にしています。

 

ITエンジニア限定でもこのような相関が当てはまるかは断言できません。忙しいITエンジニアにとっては、自分の時間をどこまで英語に投資してよいか判断するためにも、年収とTOEICスコアの関係はとても気になるところです。

 

社内の責任ある立場の人が、海外も絡む仕事のためにTOEICを活用して英語力をアップさせた。あるいは転職活動で高いTOEICスコアが要求される、高収入の仕事につくことが可能だった。

このような説明ができそうなので、この時点ではTOEICスコアが高ければ年収も上がるとは言い切れません。

 

会社の中で、英語力による年収の格差はありえるのか?

別のデータを紹介します。

 

このデータは英語の習熟度によって、社内での年収格差があると感じるか?というアンケートによって導きだされました。

テンナイン・コミュニケーションは9月28日、「英語格差に関する意識調査」の結果を発表した。同調査は7月15日~21日、部下の人事評価や人事に関わる一般企業の経営者・役員及び会社員200名を対象にインターネットで実施している。


( 参考URL  https://news.mynavi.jp/article/20160928-a366/ )

それによると、勤務先において、英語力によって昇進スピード等の格差があると回答した人の割合が49%でした。さらに年齢別でみると30代の社員でもっとも強く格差を実感する人の割合が多いとのことでした。出典元によると、外資系企業ではそれがさらに顕著でした。

このアンケートの結果を信じるならば、英語力は年収に関係があると言うことができます。

でも都会と地方、取引相手など会社の業績に関係する要素は様々なので、日本全体にこれを当てはめることは難しいでしょう。

 

ましてや、ITエンジニアに限ってはどうなの?という観点ではこのデータはあまり参考になりません。

 

日本国外のチームと一緒に仕事をする場合は、海外メンバーへの仕様の説明など、英会話がスムーズにできる人材のほうが高く評価されるでしょう。特に上流工程に関わる人ほど英会話が必要になります。そして上流工程のほうが一般に給料は良くなります。同じ能力を持つ2人の社員がいたら、英語ができる人のほうが上流工程やマネジメント的立場を任されやすいので、このグラフがそのまま当てはまります。

 

「そうは言っても、うちは地方の企業で取引相手も国内だけ。英語力は関係ないよ。」

「給料アップは長時間労働の残業で実現してます…」

こう思うITエンジニアの人もたくさんいると思います。

しかし、英語ができることで、海外の技術情報をスムーズを入手して理解することが可能になります。Google検索で使える語彙が増える等のメリットもあります。英語ができない同僚と比べると、仕事の質・スピードで差別化できます。

 

英語を身につけることで、間接的に仕事の質が上がり、良い評価につながるということも期待できるので、外資系でなくともITエンジニアの場合は「英語力による年収格差」はある程度当てはまると考えてもよいでしょう。

 

そもそも、学習意欲の高いエンジニアはバリバリ設計やプログラミングをしながら英語の必要性は感じているはずです。

仕様書やコードを書くときに必然的に英語は使うし、エラーメッセージなんかはデフォルト英語なので、そういう人は学校で習ったレベルの英語の読み書きは実践の中で身につけていきます。収入のことはさておき、良い仕事をしたいと思うエンジニアは誰に言われずとも英語力を磨く努力をするものです。

学習意欲の低い人が他の人と収入で差が開いていくのは、ある意味必然と言えるでしょう。

ITエンジニアにもTOEICスコアは必要なの?

日本で最も普及している英語力を測るテストと言えば、TOEIC(特にTOEIC Listeing &Reading Test)ですね。

より高い収入を狙って転職をしたい人の場合、エンジニアもある程度のTOEICスコアを取っておいたほうが望ましいです。

 

国内企業の場合、人事担当者が英語ができないことも多いので、TOEICスコアが判断材料の1つになります。外資系であれば英語での面接でコミュニケーション能力を試されることもあります。本当にバリバリ英語を使う現場であれば、面接で英会話をするのは当たり前です。

 

 

転職サービスのDODAのレポートによると、IT関連企業(SI、ソフトウェアメーカー、パッケージベンダー)と社内SEの2分野で、英語力を採用条件に挙げている割合は次の通りです。

IT関連企業 社内SE
上級の英語力を求めている 9.2% 20%
中級の英語力を求めている 8.4% 18%
初級の英語力を求めている 1.4% 2%
19% 40%

(参考URL https://doda.jp/engineer/column/app/009.html  )

 

社内SEに至っては約40%もの企業が英語力を重視していることが分かるし、中級以上のレベルが要求されています。

中級以上のレベルってどれくらい?と思いますよね。

DODAによれば、「顧客との折衝が発生する職種ではTOEIC600~700点以上、一方で最低限の英語力でOKならば500点台でもいいとのことです。

日本の社会人のTOEIC公開テストの平均点が約600点なので、600点台ならば中級以上、700点台ならば上級レベルとして見てもらえると言えます。つまりITエンジニアにとっても、英語力の目安となるTOEICで600点台のスコアを取っておくことは転職活動を有利に進めるうえでメリットがあるということになります。

 

設計・プログラミング、交渉などで成果が出せることがITエンジニアにとって最も重要な評価項目であることは間違いないですが、企業が新たに人材を迎えるときには、国外での仕事にも対応できる英語力を備えた人に来てほしいというのが本音です。そういう企業のほうが狭いエリアに完結したビジネスをしている企業よりも高い報酬が期待できるし、転職するならグローバルも視野に入れた職場のほうが面白いに決まっています。

 

中途採用の市場ではTOEICスコアが有るかどうかで、応募できる案件の数が大きく変わるので、TOEIC対策をしておくことが転職の成否に関わると言えます。

転職活動に理想的なTOEICスコアはどれくらい?

日本でTOEICテストを運営している「国際ビジネスコミュニケーション協会」の資料によれば、TOEIC公開テストを受験した社会人の平均スコアは約600点です。(企業やTOEICスクールで実施するIPテストの平均は490点台)

 

(参考URL http://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/pdf/DAA.pdf)

600点以上のスコアであれば「自分は平均以上の英語力があります」と言うことができるでしょう。逆にIPテストの平均より低い500点以下の場合は、履歴書に書いてもアピールにはなりません。

 

やはり転職活動によって収入を上げたいならば、600点以上のスコアを取って、前向きに採用検討してもらえる最低限の条件を満たさなくてはいけません。

また、TOEICスコアで700点以上を取れば受験者全体の上位25%に入ることができるので、700点突破を1つの到達点としてTOEIC対策を行えば、転職活動時の選択肢がかなり広がります。

さらにAクラスのスコアレベルである860点以上を獲得すれば、上位7~8%台に入ることができます。ここまで到達すれば文句なしで「英語できる人だ」と思ってもらえるでしょう。

900点以上取れると確かにかっこいいですが、私個人の体験を振り返ると800→900に上げるのは、初めて800点台を取った時よりも大変でした。

TOEICもペーパーテストなので、スコアがだんだん上がるにつれて、投資した時間に対するスコアの伸び率はどうしても下がるものです。

800点以上取っていれば、「英語できる」と十分に思ってもらえるので、忙しい人は最高でも800後半まで到達したらTOEICは卒業して、英会話や英作文など、ほかの学習に切り替えたほうが実用的でしょう。