転職で必要なTOEICスコアの目安、企業から見たスコア別評価とは?

この記事で分かること
・TOEICの点数が転職活動にもたらすメリット
・TOEICスコア別の転職市場における評価
・TOEICスコアと転職の成否の関係

TOEICの点数は、転職や中途採用にどれくらい活かせるのでしょうか?

TOEICのスコアを伸ばすことで年収がどれだけアップすることが期待できるのでしょうか?

転職市場におけるTOEICの必要性やメリットについて紹介します。

結論から言うと、転職時には最低でもTOEIC600点は欲しいところです。なぜなら、日本人のTOEIC平均点は、毎回のテストで560~580点の間にあるため、600点未満では「私の英語は平均レベルです」という事になり大してアピールにならないからです。

希望する企業、職種にもよりますが、TOEICで高評価を得るには700点以上は欲しいです。800点以上あれば、応募できる企業の選択肢もかなり広がると言えます。

TOEICとはどんな試験か?

世間で言うTOEIC=リスニングと英文読解のテスト

転職市場で言うTOEICとは「TOEIC Listening & Reading Test」のことで、リスニングと英文読解、文法や語彙力を問うテストです。

TOEICは、リスニング(100問・約45分)とリーディング(100問・75分)の構成となっていて合計200個の問題を120分で解くことになっています。

大量の英語を聞き、読まなければいけないので集中力や時間配分もスコアに影響します。人によっては50~100点くらいスコアが上下することも普通にあります。

英会話のレベルをTOEICで測ることはできないですが、ビジネスに関連した場面での会話や文書がたくさん出るので、ビジネスで使う英語の基礎があるかどうかを評価するものとして一定の信頼が置かれています。

英会話の能力を測るTOEICのテストもあるのですが、あまり普及していません。

TOEICは英語ができない人を落とすためのテスト

TOEICは英語の「読む」「聞く」能力を測るものなので、TOEICのスコアだけでは会話や文書作成などのスキルまで見ることはできません。

しかし「英語が読めない、リスニングもできない」人が英語で話したり、文章を書いたりすることは絶対にできません。アウトプットに必要なインプットが実用レベルに達していないからです。

つまり、TOEICは「英語ができない人」「ちゃんと勉強してない人」を見分けるのに使える資格なのです。

英語が苦手な日本企業の人事担当者がTOEICを参考にするのも、こうしたメリットがあるからです。

転職にTOEICは必要なの?メリットは何?

やる気のアピールポイントとしてのTOEIC

業務経験の少ない人でも、やる気をアピールするポイントとしてTOEICを活用することができます。

TOEICや資格は、仕事以外の時間を有効に使って、つらい時期も我慢して継続できなければ良い結果を残すことはできません。TOEICで700点、800点あたりのスコアを取ることで英語力だけでなく、忍耐力、計画性なども間接的にアピールすることができます。

 

これは、特に第二新卒の求職者にとってメリットが大きいです。企業は一般的に第二新卒=早期退職者という悪いイメージを持つ傾向にあるので、TOEICによって印象を良くすることができます。

 

実際、企業の人事は社員のTOEICスコアがなかなか伸びずに頭を抱えています。さまざまな語学研修やTOEIC講座などの施策を行い、お金をかけているにもかかわらずです。

そういう社内の現実があるので、TOEIC700~900点台の人が応募してくれば「面接くらいしてみようか」という気になります。

TOEICスコアがスキルと経験の不足を補う

中途採用の市場では、職務経験や実務能力が最も重視されるのは事実です。

資格だけでは通用しないこともありますが、TOEICは英語を使った実務と直結するスキルを示すものなので、ハイスコアを取ることで経験や知識不足などの欠点を補うことができます。

 

特にTOEICは英語でのコミュニケーションに直結する資格なので、グローバルに仕事を進めていく上では欠かすことができないコミュニケーション能力をアピールできます。仕事で重要なのはなんだかんだ言ってコミュニケーションなので、英語でそれができる素地があると評価してもらえることは、かなり有利です。

 

中途採用の市場ではTOEICの条件を満たす人材が集まらずに悩む企業も多くあります。

たとえ経験不足でもTOEICで英語力をアピールできれば、経験豊富な他の候補者にも対抗できます。

また、英語は仕事以外の時間で習得しなければいけないので、TOEICは自己研鑽や向上心があることの証明にもなります。向上心や学習意欲があれば、入社してから仕事もすぐに覚えてくれるだろうと思ってもらえます。

転職活動時の選択肢が広がる

企業によっては、TOEIC700点、800点を応募条件としているところがあります。

TOEICで高得点を取っていれば、それだけで応募できる選択肢が広がるので、自分がベストだと思える企業とマッチングできる可能性が広がります。

「TOEICスコアを中途採用の条件にしている企業の一例」

800点以上 700点以上 600点以上
・スクウェア・エニックス(海外営業)
・リコー(グローバル事務)
・日立製作所(M&A)
・アビームコンサルティング
・Ubisoft
・いすゞ自動車(海外営業)
・ソフトバンク
・ファーストリテイリング
・株式会社クボタ
・株式会社村田製作所
・新日鉄住金ソリューションズ
・デンソー

TOEICの点数と転職市場での評価

企業がTOEICスコアを設定する根拠

企業側も適当にTOEICスコアを指定しているわけではありません。

根拠の1つはTOEICを運営する団体が定めている「PROFICIENCY SCALE(プロフィシエンシースケール)」です。これはTOEICの点数とコミュニケーション能力の関係性を示したものです。

Aランク 860~990 Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる。
Bランク 730~860 どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている。
Cランク 470~730 日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションがとれる。
Dランク 220~470 通常会話で最低限のコミュニケーションができる。
Eランク 5~220 コミュニケーションができるまでに至っていない。

出典:TOEICスコア PROFICIENCY SCALE

 

もちろん、人事担当者もこの表がTOEICスコア保持者の英語力を正確に反映してないと認識していますが、社内での一定の基準を持つためにも参考にしています。

特に国内企業は英語が苦手な人が多いので、TOEIC運営側が示すデータを参考にする傾向が強いです。(自分たちでは面接だけで英語力を判断できないので)

TOEICスコア600点未満は逆効果

TOEICが600点未満の場合は、転職の履歴書にも書かないほうがよいでしょう。企業側には見向きもされません。

TOEICの日本人の平均点は580点前後です。つまり600点未満のスコアを書くと「私は平均以下の英語力です」と言っているのと同じで、不利になります。

 

自分を売り込むためには、平均よりもずっと高いレベルにあることを示すことが大切です。

履歴書に書くなら、最低でも600点を超えてからにしましょう。

TOEICスコア600~700点の評価

600点以上になると、仕事に関連する文書やメモも理解できるようになってきます。

日本企業においては、グローバル化に対応するために社員に期待しているスコアの平均が600点です。

 

TOEIC600点は、社会人になってから英語をやり直す人にとっては比較的高いハードルです。ブランクがある人だと、何カ月も勉強して、やっと届くレベルです。

企業側にとっては「足切りライン」として応募数を絞る基準として使えるスコアです。

 

このレベルでは転職活動において、他の候補者と差別化できるほどのアピールはできていません。TOEICに頼りすぎると、期待していたような転職先は見つからないでしょう。

600~700点台の人が転職をするときには、職務経験や英語以外のスキルを売り込み、英語はオマケくらいに捉えておきましょう。

TOEICスコア700~800点の評価

700点以上になるとビジネスで使う会議の文書や、メール、メモ、通達など読んで理解できるようになります。

こちらの表が示すように、700点以上は海外部門での活躍を希望する人の最低ラインと言えるレベルです。

 

700点を応募条件にしている企業としては、ソフトバンクやユニクロが挙げられます。日本にオフィスのある外資系企業も、700点以上を応募資格に設定しているところが多いです。

外資系企業では日本語を使うところもありますが、上司が外国人であったり、会議で英語で行うなど実務でバンバン英語を使うことになります。

700点以上であれば英語を使うことに抵抗が少なく、現場で伸びていってくれると企業の人事担当者にも判断してもらえます。

また、TOEIC700点以上のスコアを持つ88%もの人が、希望する会社に転職、年収アップを実現できたというデータも出ています。

「転職経験者の中でも、TOEICスコア700点以上の人は87.6%ができたと答えており、転職経験者全体と比べ15%以上も差が付いている。」

引用元:http://news.livedoor.com/article/detail/9656390/

 

700点以上のスコアを持つ人はTOEIC受験者の上位27%ほどなので、転職では十分なアピール材料になると言えます。たとえTOEICを応募条件としていない企業でも、海外とのやり取りを今後行える人材として見てもらうことができます。

TOEICスコア800~900点の評価

TOEICで800点以上のスコアを持つ人はTOEIC受験者の上位約12%に当たります。

したがって、転職市場でも希少価値の高い人材として評価してもらえるので、自信をもって英語力をアピールできます。

企業側はこのレベルであれば、すぐに海外とやり取りする仕事をしても問題ないと考えています。英語を社内公用語とする楽天も、中途採用でTOEIC800点以上を条件としています。

TOEIC800点となると日本では間違いなく「英語が得意な人」と評価されるので、当然英会話もスムーズにできるんだろうと期待されます。

しかし、TOEICは「読む」「聞く」能力だけを測るテストなので、英会話のレベルを証明してくれるわけではないことは、受験者なら気づいていると思います。

 

実際に採用してみて、「あれ、英語できないじゃん」と思われると気まずいですよね。

TOEIC800点レベルに達した人は、オンライン英会話などでスピーキングのトレーニングも十分にしておくことが必要です。

 

また、国内企業の海外部門や外資系企業を狙う人にとっては、800点は最低ラインとも言えます。他の候補者もある程度英語ができる人が集まるでしょうから、その中でも差別化できるものを見せるためには、絶対に800点以上は欲しいところです。

TOEICスコア900点以上の評価は?

900点以上になると、受験者全体のうち上位3%のレベルに位置することになります。

このレンジは本当に人数が少ないので、中途採用の条件に設定されることはほとんどありません。高度すぎて、逆に必要ないというのが現実です。

このレベルの応募基準にしている企業は、海外部門や外資系でもゼロに等しいです。

 

あったとしてもTOEIC900は当たり前、どれだけ英語を使いこなして仕事ができるかという事を面接で見てくる企業に限ります。そういう企業は、英語も面接でバリバリ行うので、TOEICだけでは通用しないかもしれません。

したがって、TOEICの点数を転職時のアピール材料として使うのであれば、800点台が丁度よいレベルだと言えます。

データで見る TOEICと転職の成否の相関

求人・転職サイトのDODAエージェントサービスではグローバル採用の実態を調査したレポートを発表しています。

英語は転職に有利!?グローバル採用の実態調査2014

DODAに登録した約34万人のうち、実際に転職した約1万人のデータを分析して、英語力と転職の成否の関係を調査したものです。

それによると、以下のことが判明しています。

TOEICを受けている人の転職成功率は1.23倍高い

このレポートによると、TOEICを受けていない人の転職成功率を1とした場合、受けている人は1.23倍という結果が出ています。英語力は転職に有利だということが示されいます。

30代の転職は特に英語力が有利にはたらく

年代別に見ると、TOEICを受けたことのない人の転職成功率を1とした場合、受けている人は、20代が1.21倍、30代は1.41倍、40代以降が1.11倍となりました。

これを見ると、特に30代でTOEICが転職成功率に大きな影響を持つことが分かります。

20代は全体の結果とほぼ同じ数値です。40代以降になるとTOEIC以外のスキル全般が評価されるためか、TOEICスコアはそれほど転職の成否に関わりがなくなってくると言えます。

【まとめ】TOEICスコアは転職市場でどう評価されるのか?

ここまで、転職で必要なTOEICスコアの目安や、TOEICが転職者の評価にどう影響するのかを見てきました。

大雑把に言えば、TOEICを受けておけば得することはあっても、損をすることはありません。

700~800点のハイスコアを目指すことで英語の基礎は身に付くし、自分の能力を差別化して上手くアピールする材料としても使えます。

ただし、より実践的な英語を身につけるためには、オンライン英会話や英会話スクール等でレッスンを受けてスピーキングを鍛えることも大切です。

これからTOEICの勉強をがんばっていきたいと思った方は、ぜひ当サイトのこちらの記事も参考にしていただけると嬉しいです。